前2作「Astral Week」「Moondance」と、次作「Tupelo Honey」とに挟まれて、やや地味な評価の作品だが、やはりこの時期のヴァンの作品である。侮りがたし。
確かに前作ほどの緊張感というか、隙のなさみたいなものはここにはない。ただここで聴ける、ゴスペル風の“コール&レスポンス”や“ホーン”が多用された諸作品は親しみやすく、とっつき難いヴァンのイメージはどこにも感じられないね。何かおおらかな印象の残るアルバムだ。
何曲か(彼にしては)若干クオリティの劣る曲が混ざっていることが、やや散漫な印象を与えがちで、それが本作の評価にも繋がっているのかもしれないが、ヒットシングル(1)、ライブで映えそうな(4)など力作も多く、特に祈りに満ちた心情を綴った(11)〜タイトル曲ともいうべき(12)に連なる流れは、本作のハイライトだろう。うん、やはり侮りがたし。