「春の祭典」はレコードアカデミー賞を受賞した名盤です。
「春祭」は全盛期のクリーブランド管弦楽団をブーレーズが精密かつ論理的に指揮した「磨いた演奏」です。
美しく強靭かつリズミカルに原始世界が描かれているような曲ですが、ブーレーズの演奏はどこか論理的な抑制と統制が支配しており、どんなに大きな音や合奏でも暴力的な「爆音」にならず、あくまで「音楽」として表現されています。
嫌味やアクの強さはなく、すべてのフレーズに意味がある事をしっかりと教えてくれるようです。
オーケストラの響きは切れが良い上に味わい深く、抜群のリズム感を持つブーレーズのドライブで、まるでコンピュータで計算しつくし、細部から合奏まで考え抜いて演奏しているような印象すら覚えます。
純音楽的な色彩の強いペトルーシュカも似たような傾向です。
しかし、これら二つの曲の持つリズムやダイナミックなテンポの変動がかもし出すある種の「乗り」や「香り」はイマイチ(その分クセがなくニュートラル)なので、その点で好みが分かれると思います。
初めてこの曲を聞く方、アクの強い個性的な演奏が嫌いな方、味わい深い表現が好きな方にお勧めします。