高校、大学、社会人。それぞれの時期に一回ずつエレキギターに挑戦し、毎度投げ出してきた。そしてまたエレキギターを弾くことになり、ギターを買って一年半。本当ならば今ごろ、ミュージシャンの友達と一緒にライブをやっているはずだった。結局また、練習を中途半端にして盆栽のごとき飾り物にしてしまった。でも、弾けるようにならんとマズいのは分かっているわけで、部屋の隅でギタースタンドに立てかけてあるマイギターを見るたびにとても後ろめたかった。
そんな折りに、大ファンだった中川いさみさんがギターを練習しているらしいということを、ご本人のtweetで知った。すぐに1巻を買い、一気に読み切った。たぶん俺、中川いさみさんよりは弾けると思う。でも、びびって何もしないでいる俺に比べて、中川さんは弾けないうちからライブの予定を作ってがんばっているじゃないか。すんごく胸が熱くなった。俺よりだいぶ年上のはずなのに、そんな大の大人が、やらなくても別に生活の苦にならないそんな困難に心折れずに立ち向かってゆくというのは、ものすごい勇気である。
「あー、俺もギター弾きたいな」と思い、久しぶりに自分のギターを手に取った。そんな気持ちにさせてくれる漫画だと思う。別にこれからギターを始めようと思っているオッサンでなくても、今後何か楽しみを見つけてそれに取り組んでいこうと思っている人には、ぜひ読んで欲しい。
学生時代、大笑いさせてくれた『クマのプー太郎』。その同じ著者に、大人になってからクスリと笑わされ、じわりと胸を熱くさせられる。「ああ、俺も大人になったなあ」と、本を閉じながら気持ちよく感じた。