約一年前にオリンパス社の「VoiceTrek V-85」を購入し、こちらにレビューを書きました。これは今でも売られており、ソニーの「ICD-UX523F」とは機能的にも値段的にも似通っているため、購入を迷っておられる方も多いかと思い、これら二機種の比較に的を絞って書こうと思います。
これは個人的な興味関心による感想です。基本的なことは、メーカーの仕様書、取説などダウンロードして確認することをお勧めします。
FMラジオを録音するときに個別に録音品質を設定できない
例えば、内蔵マイク録音でモノラル48kbpsに設定していたとします。そしてそのままFMラジオを録音した場合、FMのほうもモノラル48kbpsで録れてしまいます。FMラジオはステレオ128kbpsで録りたいなどという場合、その都度メニュー画面から設定する必要があります。両方の機能を頻繁に利用する人にとっては少々面倒くさく感じると思います。
FMフォルダがない
V-85ではFMラジオを録音した場合、専用フォルダに保存されますが、ux-523fでは内蔵マイク録音などと混ざって同じフォルダに保存されます。つまり、分けて保存したい場合、録音のたびに自分でフォルダを選択する必要があります。ただし、後で別のフォルダに移動することは可能です。
イヤホンをささなくても、ラジオが聴ける
これは画期的だと思いました。イヤホンを使わずに、スピーカーからラジオの音を聞くことができます。オリンパスV-85の場合、イヤホンをジャックにさした上で、イヤホン上でしか音を聴くことができません。
スピーカーの口径が大きい
V-85と比較して、音質の違いがはっきりと感じられます。うるさい場所でもイヤホンを使わずに会話などが聞き取れます。裏面についている関係で机上においた状態だと多少音が曇りますが、それでも、こちらの方が明らかに聞き取りやすいです。
起動が遅い
苦になるほどではありませんが、v-85に比べワンテンポ遅い、といった印象です。瞬発力を必要とする用途にはv-85がおすすめです。また、オートパワーオフからの復帰では、v-85の場合、電源スイッチを使用せずともどれかボタンを押すことでスリープ状態から復帰しますが、UX-523Fでは電源スイッチをスライドさせる必要があります。このスイッチが少々スライドさせにくい。
無駄に側面スイッチが多い
本体側面のスイッチ類のことです。特に側面右上の「消去」ボタンは、「HOLD・電源」スイッチをスライドさせる際、気をつけないと押してしまいます。
そもそもV-85では、「消去」「音量」「A-Bリピート」「ノイズカット」「再生速度調整」、これらの機能は前面ボタンだけで難なく使用できます。例えば、音量は「↓↑」ボタン、「A-Bリピート」は再生中に録音ボタンを押すことで可能、「再生速度調整」は再生中に「決定」ボタンを押してから「↓↑」でスピードを変更できます。「ノイズカット」に関してはメニュー画面から変更する必要があるのですが、再生中に変更できるのであまり苦になりません。むしろ、ux523fの場合、独立したスイッチが災いし、音楽再生中にノイズカットが「入」になっていることがよくあります。
スイッチが押しづらい
前面スイッチが平らで凹凸が無いせいで、ブラインドでの操作がしづらい(特に、真ん中の決定ボタンと↑↓ボタンは押し間違えやすい)。V-85の場合、ポケットの上からや、ポケットの中でも再生や停止、早送りといった基本操作が出来ます(でも「消去」ボタンは押しにくい作りになっているので間違えて押す心配は皆無)が、ux523fの場合は難しいと思いました。
ライン入力可能
カセットの音源や、MDの音源をデジタル化したい場合などに便利。V-85ではマイク入力にしか対応しておらず、ラインレベルでの外部録音をする場合には、抵抗入りのケーブルを使う必要がありました。
VOR(V-85で言うところの「音声起動録音」)の起動レベルが調節できない
V-85の場合、周りのうるささに合わせて、自分で調節できます。逆に、自分で調節しなければならないというプレッシャーというか、煩わしさももありますが…
モノラルMP3録音が可能
MP3形式の場合、V-85ではステレオ128kbpsからしか録音できません(wmaの場合モノラルも可能)が、UX-523Fではステレオ感を出す必要がない場合、音質を保ったままファイルサイズを少なく押さえることができます。
リジューム機能がすごい
単にリジュームするだけではなく、各フォルダごとの停止位置を個別に覚えてくれています。
ファイル名が日付
V-85の場合、「機種名+4桁の通し番号」によってファイル名が表されますが、ux523fではファイル名が「日付(yymmdd)_3桁の番号(001)」という形になります(例:111027_002)。人により、好き嫌いがあると思いますが、個人的にはこの方が好きです。これにくわえ、録音時刻もファイル名に反映されると日時がわかりうれしいのですが、残念ながら時刻は反映されません。
ファイルの「移動」「コピー」が可能
これもV-85には無い機能ですが、とても便利だと思います。
ファイル名・フォルダ名の変更が可能
ただし限定的に。自由にタイトルが付けられる訳ではありますん。ファイル、又はフォルダ名の先頭に、事前に用意されているテンプレートを貼付けることができます。付属のソフトを使用すれば、テンプレを編集することも可能です。ただし、Macは非対応。
再生しながらファイルやフォルダをブラウズすることができない
曲や録音ファイルを再生しながら、他のファイルやフォルダを閲覧することは出来ません。必ず、停止させる必要があります。
再生画面上に曲、録音ファイルの全長などの情報が表示されない
ボイスレコーダーとしての、この機種の最大の欠点だと思います。V-85の場合、再生画面上にファイル名の他、録音した「日付」「時刻」「経過時間」「全長」が整然と表示されますが、UX523Fの場合、ファイル名以外に、「経過時間」「残り時間」「録音日付」「録音時刻」のうち、どれか一つしか表示させることが出来ません。自分の場合は、初期設定である「経過時間」を表示するようにしていますが、例えば、ファイルの残り時間や、録音した時刻などが知りたい場合は、その都度メニュー画面から選定を変更する必要があります。「録音日付」に関してはファイル名=日付なのでわかるのですが、これでは、全長で何分間あるのか、何時頃録音されたのか一目で把握することができず、とても不便です。
また、V-85ではメニュー画面からファイルのプロパティを閲覧することができますが、UX523Fにはプロパティの機能もありません。
カレンダー表示がある
文字通り、カレンダーの画面から録音したファイルを検索する機能です。カレンダー上の日付を選択すると、その日に録音されたファイルが一覧表示されます。あまり使用していませんが、便利な機能だと思います。V-85にはない機能です。
音楽再生モード
私はドラッグアンドドロップ対応の携帯音楽プレーヤーとして、非常に期待していた訳ですが、なんとフォルダを第1階層までしか作成することが出来ないことに、購入後、気付きました。
取説の84ページによれば、「8階層目まで音楽ファイルを認識できる」とあります。しかし、実際は「音楽ファイルが格納されているフォルダが、並列に表示される」という意味だったらしいです。つまり「ジャンル別-アーティスト別-アルバム別」などに階層を分けて転送しても、本機の画面上では「アルバム」だけが並列に表示され、フォルダの階層構造が意味をなさなくなります。これは大誤算でした。このことに気づいた瞬間、音楽プレーヤーとして使用する気力が萎えました。
大型のスピーカー、充実したリジューム機能など、プレーヤーとしても魅力的なだけに、残念なところではあります。
その他
高音質の密閉式イヤホンが付属しています。実はもともと欲しいと思っていたものでした。主観的な話になってしまいますが、音質はかなり良いと思います。これは単体で購入すると3000円以上するもので(ただし、単体で売られているものよりケーブルが長くなっています。ケーブル長:約1m)、そう考えると、本体価格はイヤホン代を引いた7000円前後ということになり、かなりお得だと思います。
以上です。また何か気づいたら書くかもしれません。
読み辛かったかもしれませんが、今回は基本的にオリンパス「VoiceTrek V-85」と本機(ソニー「ICD-UX523F」)との比較という構図で書かせてもらいました。
VoiceTrek V-85(GLD)のレビューの方も合わせて読んでいただけるとわかりやすいかもしれません。
OLYMPUS リニアPCM ICレコーダー VoiceTrek V-85 GLD