MBA流の切り口でアカウンティングやファイナンスを論じている本は巷に溢れているが、最後まで読み通すのに骨が折れることに不満を感じている読者も多いのではないか?
この本は、HOP→STEP→JUMPという3段階のレベルアップ方式を採用することにより、読者の不満を解消する工夫が施されている。時間のある読者はじっくりと腰を据えて読むこともできるし、時間がない読者は各パートのHOPとSTEPを斜め読みするだけでも、かなりのMBA流の考え方が身に付くような構成となっている。章末には簡単な設問があり、読後の内容確認ができるという配慮も行き届いている。これは著者の優しい心配りではなかろうか?
冒頭、著者は偉大な経済学者の一人、マーシャルの言葉を引用して、「Cool Head(冷静な頭脳)」と「Warm Heart(温かい心)」の大切さに言及しているが、これは、MBAホルダーとしての著者が、アメリカ流の経営手法と日本型の経営手法のそれぞれの長所を取り入れることの重要性(著者はCool Headを推奨)を説いているとも理解できる。さらにこの著者は、科学に軸足をおいた思考を経営に取り入れるべきことを強く訴えかけている。その明確なメッセージがこの本の随所に感じることができる。身近にある多くの実例を取り上げ、読者の目線に立って著者が懇切丁寧に説明しようという姿勢にも共感できる。
この本は、(私のCool Headで判断すると)自信を持ってみなさんにお薦めできる一冊と言える。特に、これからMBAに触れてみたいと感じている読者には、この本を手にしてみることをお薦めしたい。