1996年作品、現在確認できるだけでも50作ほど映像化されているスティーヴン・キング作品中でもっとも良く出来た娯楽スリラーだとおもう、原題"Thinner"に「痩せゆく男」と邦題したのはまことに秀逸、味気ないカタカナ題の洋画ばかりになりつつある現在、実に言い得て妙な邦題です、未見のスリラー好きの映画ファンにはぜったいの自信をもって推薦できる映画、
当然のように2時間超の娯楽映画が氾濫する現在、92分(およそ1時間半)というフォーマットが娯楽映画としてどれほど威力があるか、についても見なおすことになるでしょう、
現在のハリウッド映画で、例えば主人公が街を歩くシーン、主人公の廻りの通行人たちは全員がエキストラ、そしてエキストラ選択の際には巧妙に見苦しい肥満体型は避けられているのが現実です、かの地を訪れた人には
納得の事実です、これもハリウッドによる一種のイメージ操作ということになるでしょう、
どうしてキングは「Fatter 肥りゆく男」ではなく痩せることの恐怖をテーマにしたのかについてはおそらく日本人以上にアメリカ人当人たちのほうが恐ろしさを感じているはずです、せりふとして語られてもいるように肥る事イコール自分自身の存在主張という側面は否定できないわけで、また当地においては低所得層ほど肥満に悩むというおかしな事実は社会問題化している側面も忘れてはいけないでしょう、
登場するジプシーたちには一人も肥満体がいないという分かりやすい演出、見苦しいを通り越したあまりにもおぞましい主人公の飲食風景に娘が泣き出してしまうシーンがもっとも恐ろしいとおもいました、キング本人がセリフのある役で登場しています、運転中のメイクラヴは避けましょう、