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私はコミュニケーションコーチですから、すばらしいスピーチをされる企業人がどのようなテクニックを使っているのか、常に注意しながら見ています。会社や製品を背後で支えるストーリーを上手に伝えるヒント、ほかの方々に役立つヒントはないかと探しているのです。スティーブ・ジョブズについては、2冊の本を書きました。ジョブズほどのプレゼンターは世界中を探してもそうそういないと思うからです。具体的な例を紹介しましょう。
つい先日のことですが、10月20日の水曜日、スティーブ・ジョブズは、“Back to the Mac”と題して新製品の紹介を行いました。あのプレゼンテーションでも、本書で紹介したさまざまなテクニックが使われています。同じテクニックを次回のプレゼンテーションで使ってみませんか? きっと、メッセージのインパクトが強くなりますよ。
まず第一に、ツイッターに投稿してもおかしくないヘッドラインを考えます。スティーブ・ジョブズは、新製品の概要をはっきり、かつ、手短に紹介する一文を用意します。11インチのMacBook Airを紹介したときの言葉はこうでした-「MacBookにiPadが合体するとこうなるんだ」。巧みな一言ですよね。この言葉、「MacBookにiPadが合体」は、数分のうちにCNNの見出しとなりました。このように、会社でも製品でも、70文字以内で表現するようにしましょう。
第二に、数字を上手にドレスアップしましょう。スティーブ・ジョブズをはじめとするアップルのスピーカーは、大きな数字にかならず文脈を添えてくれます。アップルの売上のうち、33%がMacだと紹介したアップルCOOのティム・クックもそうでした。普通ならここで話が終わるはずですが、クックは説明を続けました。売上高としては220億ドルになると紹介したのです。これでもまだ終わりません。Mac部門が独立した会社だったら、米国で110番目に大きい会社になるほどの売上だと説明したのです。大きな数字だけをポンと投げださないこと。みんなにわかりやすい文脈を添えて覚えやすくしましょう。
第三は、3点ルールを守ること、です。人が短期記憶で取り扱えるのは、3点か4点がいいところです。22点ものことを覚えてもらおうとしても、それは無理なのです。先日の水曜日、スティーブ・ジョブズはアップル人気のソフトウェアの新バージョン、iLife 11を発表しました。そのときジョブズは、新機能はたくさんあるけれど、そのうちの3つ、iPhoto、iMovie、Garage Bandを取りあげたいとしました。これがジョブズ流-3点に絞るのです。これは効きますよ。
誰も思いつかなかった世界一のアイデアや画期的な製品、ユニークなサービスを思いついても、コミュニケーションのスキルがないと、周りを説得できずに終わりがちです。そのスキルを何十年にもわたって磨いてきたのがスティーブ・ジョブズなのですから、彼からは多くのことが学べるはずです。
(翻訳:井口 耕二)
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