かねてからジョブズのプレゼンにいつも感心し、ウェブキャストを楽しみにしてきた。
一般人のプレゼンを聴くのは退屈な場合が多いのに、ジョブズの場合は世界中に楽しみにしている人が何百万人とおり、しかも彼は毎回その期待を裏切らない。 その秘密の一端をこの本は明らかにしてくれる。
いくつかのコツはプレゼンの基本としてたいていの人が聞かされているが、たいていの人のプレゼンは不徹底に終わっている点である。 たとえば要点に絞って他のことをそぎ落とす。 たいていの人は「そうは言っても、この点も落とせないし」と思ってしまう。
また、たいていの人が全く手を付けていない部分もある。 例えばユーモア。 プレゼン内容に沿ったユーモアは聴衆のアテンションを一気に引き上げる。
もちろんジョブズのプレゼンで誰もまねできない部分は解明されていない。 ステージに出てきただけで聴衆を魅了し、リラックスムードの中で引き込んで行く力。
アップルのアーカイブにある過去のプレゼンを見ながら、要点解説をして行く手法も分かり易い。
爆発的に売れた「スティープ・ジョブズ脅威のプレゼン」にはアメリカのビジネス書にありがちな、同じ内容を繰り返し述べている冗長さがあるのに対し、この本は簡潔に要点を記述し、最後にそれをおさらいしている。 構成自体ジョブズのプレゼンから学んでいる。