歳をとってこういう作品が心に響くようになってしまった。
結果的に当たりなんだが、本作に★5つをつけたらいけないような気がして、一つマイナスとした。
話の筋はバンド再結成に向けて紆余曲折。
どれもこれもどこかで見たような話である。
だが、ワンパターンは王道なのである。
いわば、『水戸黄門』のラストに印籠が出てきて、悪人がひれ伏すのと同じ。
観客はそういうのをこそ欲している。
途中途中にギャグが挟まれているが、そのギャグがことごとく滑っていて、すっごく寒い。
最初、コメディだと思っていたため、こんな寒い調子が続くんじゃ糞だと思った。
でも、最後まで見て気がつくのである、これは狙って外しているギャグだと。
登場人物は、みな道を外れたおっさんたちだ。
若いころに酒と薬と女に溺れ、社会のレールから勝手に外れていった連中である。
仲間内だけでしか受けないような話をして、仲間内だけで大笑いする。
それを観客は外から見ていていたたまれなくなってくる。
そして、「歳をとるというのは悲しいことだ」と感じるのである。
しかし、人は誰でも歳をとる。歳をとったとき、はじめて「老いというのも悪くない」と、無理矢理にでも思うようになる。
話が先に進むごとに、やっと「これはコメディではなく、おっさんたちのレクイエムなんだ」と気がつく。
過去の栄光をもう一度、だが、そうやすやすと「もう一度」はやってこない。
七転八倒の末にやっと光らしきものが見えてくる。その程度だ。
正直に言って、ビル・ナイ以外は興味もなかったが、時間がたつごとに作品に引き込まれた。
劇中、彼らが喝采を浴びるとき、見ている自分自身も嬉しくなってくる。
それがどこか悲しい。