全編を通して亡き母が残した宝塚漫虫先生著「シャカ」を教典とした元引き篭もりの高校生孵我児(ふがじ)君が女性に対する肉欲を克服し真の愛に目覚める様子を過剰に描いています。
内容を文章にすると本当に上記の通りなのですが、作者のデビュー連載「サルハンター」の時より遥かに上達したどこか狂的でバランスが崩れた濃い描線のキャラクターが回を追う毎に迷走の度合いを深める様子は唯一無比の個性に溢れています。
あっさりした表紙よりずっと纏わり付くような粘着質の絵です。
男性キャラは限り無く滑稽で情けない半面、女性キャラの肉感的な色っぽさは巨乳熟女専門のエロ漫画家並みで、この女性キャラを見るだけでも本誌は購入する価値が有ります。
斯様な漫画がかつて増刊と言えどもビッグコミックスピリッツ系に連載されていたとは信じ難いです。
この度の単行本化に際して青林工藝社さんの英断に快哉を送ります。
本誌刊行に力を尽くした大西祥平氏が寄せたツギノツギオ氏の魅力を語った熱い「あとがき」も必見です。
ともかく異様なパワーの作者汁溢れる漫画をお探しの方にはお薦めです。