冒頭、いきなり怒涛のバトルシーンから始まり、すわ若きカーク提督登場かと思いきや、これはカーク父のエピソード。そこから少年カークのヤンチャっぷり、喧嘩っ早い青年時代、亡き父の後を追うようにしての宇宙艦隊入隊とスポックとの出会い、エンタープライズ号の処女航海に出るまでが矢継ぎ早に語られます。
カーク船長ってこんなにエキセントリックなキャラだったかな?と思わなくも無いですが、傲慢ギリギリの若さ溢れる主人公はなかなかに魅力的です。
また、旧シリーズ通しての名コンビであるスポックもダブル主役であり、いわば、行動のカークvs論理のスポック という図式で、未曾有の危機に襲われたバルカン星と地球を救うミッションを通して、彼らの葛藤と友情の絆が生まれるまでが描かれます。そのあたりは、いい意味でお約束の脚本ですね。
いかにもSF冒険活劇って感じで、しかも次から次へとテンポ良く話が進んでゆくので、退屈はしません。
全体の雰囲気や世界観は、予想以上に旧シリーズの色が強く残っていて、バルカン星人のメンタリティとか、惑星連邦の概念とか、ロミュラン人との確執などあまり説明されない背景は、シリーズを知らない人にはやや敷居が高いかもしれません。その分、物語を通してエンタープライズ号のオリジナルキャラクターたちが続々と登場してくる展開や、大迫力の宇宙戦闘シーンはファンにとってはたまりません。
特に、旧シリーズと本作を繋ぐ「あの人」の登場は感涙もので、「ファン以外でも楽しめる」かもしれないが、「ファンの方がより楽しめる」のも間違いないです。
もっとも、細かな突っ込みどころは多いです。いくら不意を突かれたとしても地球もバルカン星も無防備過ぎ。タイムパラドックス絡みの疑問点も多々あります。赤色物質とかいうブラックホールを造り出すことのできる物質って、よくわからんし...。(笑)
遊び心のある贅沢なキャスティングですが、それにしても、エリック・バナとウィノナ・ライダーの使い方は贅沢すぎますよね。