すっかり「スターリングラード」=J・ロウ主演の映画と思われていますがこちらが本元です。こちらは原題もスターリングラード。あちらはEnemy at the gate.この映画を劇場で見た方は少ないでしょう。私の住んでいる地方でも二週間の上映でパンフレットも製作されなかったようです。ほとんど宣伝もされず1部のミリタリー系の雑誌で取り上げられたのを読んで観に行きました。史上最大の市街戦、未だにこれを超えた市街戦はありません。建物の奪い合いから今度は部屋の奪い合いになり、犬ですら熱さを嫌ってボルガ川を渡って逃げたと言われてます。
「Uボート」や「硫黄島からの手紙」のようにある程度人物を絞った構成という訳でもなく(そのせいか2回以上観た方が人物が分かりやすい)、「プライベートライアン」のように勝ち戦を描いた訳でもなく、「ブラックホークダウン」のようにヒロイズムを謳い上げる訳でもない。だけど何回か観たくなる何かがあります。それは兵士=人間という視点ではなく、兵士=将棋の駒、だからでしょうか。話は決して最前線を離れずひたすらドイツ軍からの視点で描かれています。最後には故郷へ帰ろうと人間らしい判断をしますがあまりにソビエトの冬は寒かった。
軍事的考察の視点からでもかなりリアルであったと思います。たこつぼを戦車に生き埋めにされたり(ガダルカナルでもアメリカ軍が日本軍にやった)、防寒具の不足や雪の迷彩服がなかったのでベッドのシーツや子供服をヘルメットに被せてあるのが分かります。