B級ホラーの雄、ジョン・カーペンター監督の異色「ラブ・ストーリー」。
人類からの「お誘い」に応えて地球を訪れたエイリアンがアメリカ軍に撃ち落され、追跡される皮肉な展開。
その目的はもちろん生体解剖です(笑)。
追い詰められたエイリアン=スターマンは偶然出会った美しい未亡人、ジェニーの亡夫のDNAをコピーして人間化。
宇宙から救出にやって来る仲間とのランデブーポイントを目指して二人の旅が始まります...。
別人とは知りつつも最愛の男性と瓜二つのスターマンに否応なく惹かれていくジェニーの切なさ。
まっさらな心で人間世界を眺め、その矛盾に戸惑うスターマン。
そして二人を追う科学者(チャールズ・M・スミス)の気弱さと善良さにも説得力があります。
スピルバーグの作品のようなスペクタクルやドラマチックな展開をねじ込むことはカーペンター流ではなく、それは本作でも同様です。
主演のジェフ・ブリッジスとカレン・アレンの二人の演技とコンビネーションにきっちりと大枠のところは委ねられており、結果的にはそれが成果を上げております。
ちゃんと孤独な二つの魂が一歩づつ近づいて行く様が説得力をもって描かれていて、
破天荒な物語ながら感動的なラブストーリーとなっています(ちゃんとメイク・ラブシーンもありますが全然不自然さがありません)。
クライマックス、砂漠に降る雪の中で描かれる別離は飾り気もありませんがストレートに心に響くものとなっています。
ジェフ・ブリッジスの巧さは今更ながらですがカレン・アレンの魅力に関してはスピルバーグの「レイダース失われた聖櫃」よりも
本作の方が遥かに上で、役者の魅力でドラマが成立しているという意味で実に「映画らしい」佳作となっております。
女性の方々にもっと見ていただきたい作品ですね。