スタンリー・キューブリックは大ヒット作は無いが、映画の歴史に名を残す作品を数多く残している名匠である。 ”2001年宇宙の旅”だけが一人歩きをしている感は否めないが、”フルメタルジャケット”や”時計じかけのオレンジ”のように、何十年の時も経た今見ても、その独創性・芸術性は他の追随を許さないものである。
あえて”ロリータ”や”博士の異常な愛情”など物議を醸す作品を撮りながら、その一方で”バリー・リンドン”のような美しい映画を残している。 どの作品を見ても、カメラマン出身のこだわりがいろいろなカットに現れている。 同じ題材を2度と扱わないという点においても、映像作家としてのこだわりも感じる。
DVDの鮮明な画面を通すことで初めて、キューブリックが描いていた映像をスクリーン上で実現出来るのだ。 巨匠は世界に数多くいるが、駄作が一つも無いのは、キューブリックただ一人であろう。 題材・ストーリー・映像・音楽・主張、全ての点において 全ての作品に文句のつけようが無い。
強いてあげれば、”アイズ・ワイド・シャット”が遺作というのは有吉佐和子っぽくていただけないのだが。 20年前と変わらないのだが、尊敬する人の名前を聞かれたら、躊躇無く”スタンリー・キューブリック”というであろう。