これは熊本県在住の教員が長年のスズメの研究をまとめたものとなっている。スズメといえば一般的に日本全国で見かけられるので、その生態を見過ごしがちだが、熊本県に地域を特定することで豊富な写真、資料が公開されている。なかには、生物界の掟に従った写真もあるので残酷なシーンが苦手な方は避けたほうが良いのだが、これも自然の法則と思えば致し方ない。
スズメは一般に害鳥と思われがちだが、本書を読めばツバメ同様に益鳥であることがわかる。さらには、野生動物であるスズメがなぜ人里に暮らしているのか、その要因を豊富な事例で解説されている。野鳥に興味があるかたは、参考文献として必読なのではと思う。
さらに、古くから日本人の生活に親しんできた小鳥だけに、その日本人の生活に密着した文献なども紹介され、文化人類学でもあり、郷土誌としても参考になる。