四つの女の子スザンナは、不注意で花びんをわってしまいますが、「とてもごうじょう」なので、ごめんなさいがいえなくて、自分のお金で買って返すと口答えをします。すると、お父さんはお金が足りない、と言って、親戚の子どもを集め「きょう売」を始めます。みんなが、スザンナのお人形に値段をつけ、せり落としはじめました……。
真の意味での個人主義と、言葉での自己表現が徹底しているフランスならではのお話で、本当に驚きました。なかなかごめんなさいを言わないスザンナもがんこ者だけれど、本当にスザンナのお人形を売りはじめるお父さんもスゴイ……。もちろん、スザンナは本当に大切なものは何かがわかっている、心のやさしい子なのですが……(それはカバーの絵をよく見るとすぐにわかります)。
今の時代ではそもそも翻訳されないだろうと思わされる、貴重なお話です。
後半の『ビロードうさぎ』は、石井桃子さんのもっと詳しい新訳で、後に別の絵本として出されていますが、高野二三男さんの挿絵にもレトロな味わいがあります。