学生時代を(はるか)昔に感じるヒトが
高校時代を思い出しながら読む、
そんなスタンスがぴったりくる漫画だと思う。
いや、若くてもいいと思うんですけど。
恋愛の起承転結で言えば、お話を「転」までで締めくくっている。
キスやハグの「結」はなくて、それは読者の余韻にまかせている。
でもそれが心地よい読後感を生む。
作者の二冊目「Yesterday,Yes a day」でも感じたのだけれど、
岩本ナオさんの作品って、主人公たちの気付きの瞬間が
ほかの少女漫画とはちと違うんだな、と思う。
ハッ、とか、ガーンとか、顔がかあっと赤面するとかっていう
一瞬の強い衝撃ではなくて、
すうっと水が地面にしみ込むような気付き。
漫画はさくさく読むほうだけれど、
この気付きの瞬間に引き込まれて、ページをめくる手が止まってしまう。
静かな静かな、でも確かな緊張感。
表題作もいいけれど短編の「僕の一番好きな歌」が好きだ。
同級生に恋をする男の子の、積極的なんだかためらいがちなんだか
わからない行動となにかっちゃキラキラしちゃうところに
可愛いなあと思ってしまうのだ。
(ちょっと自分の年齢を感じますが)