正直言って呆れるほどびっくりした。それに演奏しているのは!ピアニスト・指揮者の
アシュケナージ(中央アジアのハザール系?)。これはまるでユダヤ伝説の甦った怪物
【ゴーレム】そのものではないか!!正直なところ、この録音が発売された時に感じた
のはそんな印象だった。スクリャービンも相当の誇大妄想だったが、いくらなんでも
ここまでやるとは!ネムチンの粘り強さに負けた。復元=イメージ再現(編曲)に携わ
ったはネムチンという音楽家!!彼は以前にはスクリャービンの未完の大作【神秘劇】
の序章を既に完成していてキリル・コンドラシンの指揮で録音もされていた。
それも相当の珍品というものだったが。ここまで巨大なものに増殖しているとは全く
思わなかった。正直いってスクリヤービン信奉者で相当の力を持っていないとここまで
は出来ない。正直我々がこの曲を全曲聴きとおすのは少々苦しい。
CD3枚分の中にはそれでもまだ物足らないのか、ネムチンはスクリャービンのピアノ作品
の中より神秘劇の楽想に似通った後期の作品をピックアップして継ぎ足して作ったような
怪作【Nuances】という作品も含まれている。まるで狂気の沙汰とでもいったら良いのか。
ある意味頭が下がる。ここまでくるともう何も言えない。怖いもの見たさで聴いてみるのは
良いのですがお気をつけてどうぞ。