初代FMよりのファンです。PSNストアで2や3も買い直し、
PSPで楽しんでいたのが昨年の今頃の話です。
旧作をプレイしたことのある方なら、ヴァンツァーを自分で操ってみたいと
1度は思ったことのある方も多いのではないでしょうか。
そんな夢を叶えてくれる本作、期待せずには居られませんでした。
以下、ストーリーモード的なもののみの感想です。
ネット対戦モードは全くプレイしていません。理不尽と不具合の巣窟だと聞いています。
良くも悪くも「今風」の機体デザインや、兵器という位置付けのヴァンツァーによる
ケレン味溢れるCGムービー。個人的にはすごく良いと思います。
いかにも試験場といった雰囲気のある楽しいチュートリアルの後であのムービーを
見せられたときは本当にワクワクしました。
しかしその後が続かなかった。
1章あたりはまだ最初ということでそれなりに役割を果たしていたように思います。
2章以降。
薄手の風呂敷を大袈裟に広げ、陳腐を雑把に放り投げて載せたような展開が続きます。
個性的な登場人物による人間模様はフロントミッションシリーズだけではなく、
スクウェアのソフト全般における魅力だったはずです。
公式サイトや取扱説明書にはそれを感じさせるそれぞれのキャラクター達の設定が
記されていますが、それが作中で活きることは全くありません。
唐突に登場し、憎しみや親しみ、畏怖や尊敬の念を抱くことも無いまま部隊を去っていきます。
設定とは似ても似つかない「ポリゴン人形」に無理に英語で人形劇をさせず、
いっそ割りきって「絵」に会話させたほうがマシだったのでは?
(外部の制作会社が作ったとのことですが、電話口頭での伝達のみでモデリングでもしたんでしょうか?
設定画をあとからくっつけたとしか思えない位の似つかなさです。個人的に一番残念な箇所です)
人間ドラマ部分の圧倒的なボリューム不足により、なんだかよくわからない白けた空気のままで
プレイヤー置いてけぼりの「ドラマ」はエンディングを迎えてしまいました。
そのエンディングさえもあっさりで、余韻もへったくれもあったもんじゃない。
じっくり楽しむ目的ではなくゲームのテンポを優先した結果だ、等と逃げないで欲しい。
これは明らかに手を抜いて作られたうえに説明不足の、物語とは言えないレベルの走り書きです。
考えがたいほど多くの弾薬と修復が容易すぎる装甲を身にまとって単機で何十、何百の敵を制圧してしまう
ヒロイックな兵器(笑)等と野暮なことは今更申しません。
事実、アクション部分はゲームとしてなかなかの出来だと思います。
必要十分な綺麗なモデリングのヴァンツァーが火器をぼんぼん発射して圧倒し、
時にはダッシュで接近しつつ勢い良く殴り飛ばして敵を粉砕する。爽快感があって楽しいです。
しかしここでも先述の「登場人物や物語の薄っぺらさ」が邪魔をする。
あまり説明もされずに現れた敵、容姿から察するにああ敵の仲間なんだろうなと判断するも、
別にエースパイロットのような俊敏な機動性や狡猾な戦法を使ってくるわけでもなく、
全員がただ耐久力が高く火力もあるだけの個性のない動く標的。
重装甲ヴァンツァーの牽制に乗じて一撃離脱戦法をかけてくる高機動ヴァンツァー…とか
なんかそんなの無いんですか?どうにかプログラムできないんでしょうか。
ようやく倒しても「あのライバルを倒した!」的な達成感など微塵もありません。
誰を何のために倒したのかよくわからないんですから。名前すらロクに覚えていません。
巨大ヴァンツァーとかは迫力があって楽しかったですよ。いきなり登場してあっさり倒しましたけどね。
最後間近のボスのような敵も「テクニックで避ける楽しみ」があってドキドキしましたよ。
登場のたびに使ってきた「全く同じモーション」の「空中浮遊しながら」撃ってくるミサイルは閉口しましたけどね。
それも、あの敵にはこんな装備で挑めばいいんじゃないか…等というこれもフロントミッションの大切な要素の
「機体カスタマイズ」があればもっと楽しかったに違いありません。
実際はカスタマイズとは名ばかりの、よい武装が積める機体に高火力の武装と便利な回復装置を積む作業です。
その選択できるパーツすら、グラフィックは同じだわ数が少ないわ性能悪すぎて使えない武器や機体があるわ、
挙句は特に必然性もないのに「○○を装備してください」と制限されるミッションがあるわ…
友人曰く「もしかしてこのミッション簡単すぎるから武装制限して難易度調整してんじゃね?」
もしもそれが事実なら、そんな短絡的な理由でゲームの楽しさを殺す設計をした人を軽蔑します。
是非、2作目を作って頂きたいです。
これが続編等でなく「1作目」と考えれば、あるいは説明がつくかもしれません。
1作目で評判の良くなかったあれやこれを改善し、進化した続編が…と。
そうでもなければ、この作品を期待して購入してしまった沢山のユーザーが浮かばれません。
購入せずとも旧作のファンだった、またはファンだったからこそ購入しなかった、できなかった
ユーザーもどれくらいいるのかわかりません。その方々も浮かばれません。
スクウェアには是非この多くのレビューを真摯に受け止めて頂きたい。
このままではクリエイターとしてのスクウェアの価値や評判を大きく損なってしまいますよ。
失った信頼を取り戻す努力を怠るようであれば、今度こそスクウェアを見限ります。
クリエイター云々以前にモノを売る人間としてその努力すら放棄する企業にこれ以上払う金はありません。
どうかそんな悲しい判断をさせないで下さい。お願いします。