病気の娘を持つ父親を主人公とした話で
戦闘や移動などの操作はアクション性が高いため
アクションゲームに見えるが、実際にはRPG。
グラフィックは美しく、それ以上に素晴らしいのが音楽。
要所要所で挿入される音楽や、それに重なる物悲しい歌声は
世界観に非常に合っていて印象強い。
主人公の足も速く、崖を飛び降りたりしても無傷なために
目的地への最短ルートを進みやすいのは便利。
十字キーに割り当てられたアイテムや武器選択のショートカットも嬉しい。
全体的にいろいろな造り方にチャレンジしていて
一般的なセオリーを壊している実験的な試みがある。
その結果、遊び辛くなっていたり面倒な部分があったりするが
これはこれで個性的で良い。
ただ、砂の神殿の掟縛りや南平原の洋館の見辛い視点は
結構なストレスを感じた。
その他にも視点が固定される場面があり、操作しづらくなることがあった。
クエストと呼ばれる、自由に受けられる依頼や
ストーリーの進行に関わる部分も
基本的には「おつかい」で、特定の場所に行ってアイテムを回収するか、
指示された敵を撃破するに過ぎない。
特に敵を倒したときや道に落ちている「素材」を集めてくる依頼は「おつかい感」が強く、
やっていてそれほど楽しいものではない。
アクション性の高い戦闘に関しても、序盤はややキツく感じるが
終盤では相当に強くなった主人公と、
いつでも使用可能な回復アイテムによってゴリ押しできるため、
それほど戦略性の高いものではない。慣れてしまえば単調と言える。
しかし、本作の魅力はそういった部分や、戦闘アクションの部分ではなく
大半がストーリーとキャラクターにある。
個性が強く、かつ感情移入しやすく設定された魅力的なキャラクターと
それらを容赦なく残酷な状況に持っていく展開は
プレイしていて次々と衝撃を感じることができ、非常にクオリティが高い。
仲間となった本が主人公に対して話しかけるセリフが
画面の左上に随時、表示されていくが、
主人公が弱いときは戦闘に精一杯で読む暇がなかったが、
最終的に余裕で敵を撃破できるようになるため、
あとからそういった部分まで楽しめるようになる。
周回プレイを前提としており、全部で4種類のエンディングが用意されている。
1周目では必ずAエンディングとなり、そのクリアデータを引き継いて
物語の後半から2周目が再開される。
持っていた武器やアイテム、所持金、主人公のレベルや
クエストの完了状況など、基本的にクリア直後の状況をそのまま引き継げる。
2周目は必ずBエンディングとなるが、1周目では語られなかった内容が
随所に挿入され、同一の展開なのに物語を深く知ることができるようになっている。
2周目をクリアしたあともそのデータを引き継ぎ、3周目として後半から再開できるが、
すべての武器を集めているとクリア直前で新たな展開が追加され、
CエンディングとDエンディングに進む選択肢を選ぶことができる。
(武器が集まっていない場合はBエンディングになってしまう)
Cエンディングを選ぶと再びデータを引き継いで後半から再開できるが、
Dエンディングを選ぶと引き継げなくなるため、
すべてを順当に楽しむならA→B→C→Dの順で4周するのが良い。
周回プレイは面倒、と感じるかもしれないが
2周目以降では成長した主人公がとにかく強く、
ボス戦を含めて戦闘では苦労しないため、
まっすぐストーリーを進めれば2、3時間程度でエンディングまで到達できる。
ゲームとしてプレイしていて楽しいかという基準では飛び抜けた印象はないが、
世界観とストーリー性は非常に濃く、
各場面で味わう想いはなかなか他作品では得られない。
1周目の前半(2周目以降の再開ポイントまでの部分)までは
正直、あまり面白さがわからなかったが、後半からやっと面白さがわかった。