私はパズルボブルはまぁまぁ好きな人です。アーケード版のパズルボブル1~4とスーパーパズルボブルをそこそこやり込みました。以来あずまんが大王パズルボブルや家庭用には触れることなく、このシリーズは長い間ご無沙汰していましたが、開発がテトリスなどで非常に定評あるあのアリカ社ということで、よりによって3DSのローンチソフトとして久々に手に取りました。
3DSでやる必然性がないとかはどうでもいいです。立体感を活かした演出は意外とよく作られていると思います。操作性や挙動はしっくりきますし、おなじみのBGMのアレンジも良いなど、基礎はしっかり作られています。しかし、内容的には期待していたのですが…私にとっては残念ながら問題点だらけです。
★ゲームモードが少ない!!
・ ラウンドクリアしていくパズルモード (10ラウンドずつプレイ、全80ラウンド)
・ ひたすらバブルを消すチャレンジモード (100秒・300秒・エンドレスの「「ずっとバブル」」)
以上です。エディットモードなんてステキな物はありませんし、全シリーズ標準装備の対戦モードすらないのです!!! COMとの対戦はおろか、ワイヤレス通信による人間同士の対戦すらできません。もうびっくりです。
★パズルモードの面配置が単調すぎる!!
パズルボブルは、シリーズを重ねるごとにラウンドに配置されるバブルやギミックの種類が増えていきました。また、3作目からは天井が無くなり、支点ブロックシステムが採用されて面配置のバリエーションが格段に豊かになりました。
しかし、本作のパズルモードは、パズルボブル2までの天井が降りてくる今更な仕様で、しかもバブルの種類は通常と鍵(隣接したバブルを消すと取れるだけ)の2種類しかありません!! レインボーバブルのような特殊バブルや滑車などのギミックも一切無しで、2以降の基本要素である「消えないお邪魔バブル」や「同色を全部消すクリスタルバブル」すらありません。フィールドの幅も変化がなく、中ぐらいの広さの1種類しかありません。15年前に発売されたパズルボブル第1作目相当の仕様で全ラウンドの配置が作られています。なぜこんな古い仕様なのか理解できません。
そんな理由で、難易度が上がってくると、アーケード版第1作目の終盤のように1色1個ずつを市松模様的に敷き詰めた面配置に走りがちになり、バラエティに乏しく大きく代わり映えのしないラウンドとひたすら向き合うことになります。
★ぬるい!! しかも、分岐なしなのでパズルモード全体に対して簡単なラウンドが占める比率が大きい!!
ライトユーザーを意識しすぎです!!
パズルモードは、なんと終始バブルを飛ばす方向の補助ラインが表示されます(アーケード版は最初の1ラウンドだけ)。これでは、狙い通りに決まったときの爽快感が味わえません。この一点がぬるさの最大の原因であり、パズルボブルのおもしろさを最も損なっており、個人的に一番致命的な仕様です。チャレンジモードは設定が3段階あり、ラインなし & 5秒制限にできますが、パズルモードは変更できません。
また、従来作の多くはゲーム進行がダライアスのようにルート分岐していくため、必然的に序盤の簡単なラウンドは少なく、終盤の難しいラウンドほど豊富に用意されるようになっていました。しかし、本作では一本道で進み難易度の上がり方はゆるやかな直線のため、簡単な面と難しい面の数がほぼ均等で、最初の1/3ぐらいまでは、アーケード版でいうラウンド4~7相当の易しい難易度がひたすら続きます。終盤の面も数が少ないだけでなく、ややぬるめでアーケード版の中盤(ラウンド15~20前後)ぐらいの難易度に感じました。これと前述の面配置の問題、補助ライン常時表示のせいで、全クリアまでにほとんどゲームオーバーになりません。
しかも、ちょっとでも多めにバブルを落としただけで、いちいち毎回ボーナスタイムというプレイヤーに有利 (10〜15秒程度の拘束時間が発生し、プレイのテンポを遮られるので個人的には蛇足でしかない) なバブル連射し放題の新要素が発生し、輪にかけて難易度を下げてます。あげく、バブルを消していくとゲージがすぐに溜まり、溜まるとピンチのときに大量にバブルを消して逆転できる特殊アイテムが使えるようになります。ただでさえ、ほとんど使うことなくクリアできるのに!!
チャレンジモードの100秒・300秒は難易度は終始ゆるいまま上がりませんし、「ずっとバブル」も本当にエンドレスで、難易度が上がるまでに非常に時間がかかる調整になっています。(チャレンジについては、後に追記があります)
★パズルモードのラウンドが少ない!!
前述の通り、10ラウンド×8ステージ=80ラウンドしかありません!! この少なさは大問題です。1面1面の質はともかくとして、おそらくラウンド数が2桁しかないパズルボブルは携帯電話向けの他にはアーケード版第一作目ぐらいでは…。参考までに、DS版過去作は1作あたり500面超あります。(ただし、面数が少ないかわりに、過去作に多く含まれている「数秒で終わるようなかませ犬的な面」はあまりなく、30〜1分程度かけてクリアさせる面がほとんど)
これだけ少ないので、1時間40分強程度で全クリアしました。ゲームオーバーは、泡を多く落とそうと欲張ったら運悪くというのが3回だけみ。しかも、やり込み要素として、10ラウンドごとの点数ランキングのほか、「鍵を集めて仲間を助ける」(鍵は隣接したバブルを消すと取れる。落とすと×)「ボスを倒す」(考えるより連射したほうが有利。もはやパズルじゃない) と金のトロフィーマークが付く要素がありますが、ひたすら連射すればいいことに気づかなかったなどで、第4~5、8ステージのボスを時間切れで倒し損ねてます(クリアにはなる)が、その3つを除いた残りのトロフィーマークは初見プレイで全てコンプリートできています。
最終ラウンドのボス戦が終わると、通常のクリアデモのあと突然スタッフロール (未クリアでもいつでもオプション画面から見られる) になり、終わると何事もなかったかのようにステージ選択へ戻ります。隠し要素・隠しステージを期待しましたが、なんにもありませんでした。
一応、トロフィー (トロフィーマークとは別、Xbox Liveの実績、PS3のトロフィーのような要素) 60項目がありますが、ここまでで25項目獲得しました。コンプリートは時間の問題です。私としては、ぬるいステージを何度もやり直す気がしないので全てコンプリートする気にはなれませんが…。
★その他、致命的ではないささいな不満点 (過去作によっては同様の問題あり)
・BGMを聞かせたいのか、1ラウンドクリアしても何のジングルも鳴らないので達成感が少ない (10ラウンドクリア時のみ)
・泡を消したときや、泡を落としたとき、効果音のみで、アーケード版のようにメロディのような音が鳴らないので気持ちよくない
・ボス戦は何のパズル要素もなく、ステージ毎の代わり映えもなく、はっきりいって蛇足!! 連打すればいいだけです。
・過去作では、フィールドの下でいろいろなアクションを見せていたバブルン(泡吐き怪獣)が、本作ではインターフェイスのおまけとして、ゲームの進行に関係なくただ歩くアニメーションを繰り返しているだけ。
・ローンチソフト8作品の中で、唯一すれちがい通信に非対応!!(笑) パズルゲームで何を通信するんだ? って聞かれても私は答えられませんが…
・公式サイトの内容がやる気が無さすぎです。ほとんど内容がわからず、ゲームモードが2つしかないこと、全80面しかないこともわかりません。
そんなわけで歴代アーケード版の仕様をこよなく愛する私には、内容の薄さ・ぬるさに大いにがっかりしてしまう内容でした。
すでにラウンド500面超・対戦モード・エディットモードや豊富なバブルなどをしっかり実装した過去作を3作もDSで出していて、なぜ今更ここまで仕様がオミットされたものを出すのか正直疑問です。これだったらDS版を買ってやったほうがずっといいような気がします。この内容の少なさでフルプライス、しかも同時発売で内容充実のスパIVより180円高い価格設定はありえません。
しかし、立体視を活かした演出や、操作性、パズルボブルとしての挙動など、基本部分はそつなく丁寧に作られていて穴がありません。また、次に来るバブルの色も完全なランダムではなく内部で調整してバランスがとられている (例えばピンチ時に緑が欲しいのに、要らない赤が4個連続で来て詰むとかが無い) など、見えない部分のシステムもアリカらしい配慮がなされているようです。つまり、基礎部分のクオリティはシリーズの中でも良い部類だと思います。「危なそうな本体同発タイトル」として何かとダイナソーと並べられがちな本作ですが、面白いと言う人を全く見ないダイナソーと違って、本作を面白いと言う人はTwitter等で割と見かけるほうです。
パズルボブル歴が無いかとても短いライトユーザーの方が、ゆるーくお手軽に楽しみたいのであれば、3DS唯一のパズルゲームとしてそこそこ無難に遊べるゲーム…なのかもしれません。コアなプレイヤーの方々、特にアーケード版の仕様が好きな方には、そのぬるさ・仕掛けと面の少なさ故に全くもっておすすめできませんが。
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(追記 2/28) Twitterでもかなりこのゲームに対する不満をぶちまけていたのですが、それが開発に関わったアリカ社の某氏の目に留まり、直接返信を頂いてしまいました。入念なモニター調査を経てこの難易度・仕様になったことと、チャレンジモードのやり込みポイントを聞けたので、このゲームに対する印象は多少変わりました。パズルモードとコストパフォーマンスが個人的に大不満である点は変わりませんがw
特記事項として、上で一度不満として挙げたチャレンジの難易度についてがあります。最初にこのレビューを書いた時点では、40分程度プレイして難易度の手応えを全く感じず終わる気配が一切なかったので、見切って途中で投げてしまっていました。
★ぬるいうちは「全消し」を狙って点数稼ぎに徹する。(100秒・300秒モードも全消しボーナス狙いが主目的)
★レベル700(ここまでで順調にプレイして50分ぐらい)を超えると徐々に山場が始まる。レベル900から押され始め、レベル1000(1時間半ぐらい)からミスが命取りに。
★しかしまだ先があり、アリカらしい(と言えば分かる人は分かる)シビアな調整が姿を見せる。次の目標(最終ではない)は1億点。
要約すると、上記のようにやり込むと徐々に本性を現す調整になっているそうで(長丁場になりますが中断セーブがちゃんとあります)、実際そこまでやってみて「ああ、なるほど確かにそうなっている」と思えました。レベル1006, 5700万点で撃沈したので、私もまだチャレンジモードをやり込む余地はあるようです。
中断セーブが可能とはいえ、1プレイに1~2時間以上続く構成は、何も知らないと私のように途中で投げてしまうかもしれませんし、そうでなくともある程度人・プレイスタイルを選ぶと思います。
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(追記 3/3) やはり、この長丁場になるチャレンジモードは自分のプレイスタイルに合わず、気軽に楽しめないので、相場が落ちないうちにこのソフトは一旦手放すことにしました。売ったお金でDSの旧作を注文しました。本作の何よりも最大の不満は、パズルモードで補助ラインが消せない点と、異様なまでのコスパの悪さです。
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以上、長々となってしまいましたが、ご参考になれば幸いです。