「深いところに灯りがともり、涙が…あふれる。」オビの紹介文にあるこの言葉通り、素晴らしいヒューマンドラマを描いた傑作漫画。
戸田誠二氏は昔から、人の心を抉るような……痛切で、しかし最後には温もりと希望の見える漫画を描き続けています。
絵は特徴的で、正直そんなに上手いわけではありません。でもそれを補って余りある、物語を構成する巧さに長けた方です。
この本は、科学の発達した近未来を舞台に、悩み、苦しむ人々が禁断の科学に手を染め、その結果何を失い何を得るのか……そういった悲哀と希望を描いた短編集です。
「ボディレンタル」「クローン」「抗鬱機」「覚醒機」……どれもこれも、本当に素晴らしい発想の話ばかりで、各話の主人公たちの心情を想うと、不覚にも涙を堪えきれませんでした。
自分ならどうするだろう、どうできるだろうと、色々なことを考えさせられる傑作です。著者の他の作品も読み返したくなりました……。
人生が味わい深くなる珠玉の一冊、どうぞお手元に。