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田口ランディ氏の切れ味のいい文体は多くの読者の知るところである。その強さは、あくまで自分自身の実感として語ることにある。中途半端な一般化をしない。むしろそこに共感を覚える。
著者から見たおやじの描写も興味深い。一緒に恋に落ちよう!と一生懸命穴を掘るおやじのセンチメンタルさ。それは、いい男になりたい願望の裏返しであろうと言い、女々しいぞとすぱっと切られるのである。
ここでの「セックス」というキーワードは、男と女がむき出しの心で対峙する行為として取り上げられているように思う。僕も、出来ればかっこよく見せたいおやじの一人である。読みすすめるうちに待てよと思ってくる。かっこつける前に女の子の気持ちを本当にわかろうとしたことがあっただろうか、と考え直すようになる。本を閉じる頃には、溜め息まじりになるほどの一言。
リアルな描写、小気味のいい切れ味。勉強になります、ランディさん。
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