終わり方が原作と違う。でもこっちのほうが好き、というか映画として一つの終わりにするにはこれしかなかったのかもね。
映画館に観に行けなかったのでDVDで観ました。 空中戦の透明感や爽快感、地上での虚無感、淡々と流れまるで終わりの見えない感じは良く再現されてるなと思った。 押井守が現代にぶつけたかった感情は確かに伝わった。
こういうのを黙って観てられる人ってある意味冷めてるなと思った。 ある程度人間ってもんを分かってて、世の中の冷めた部分を知ってる人じゃないとたぶん超つまらんストーリーだと思う。
決して胸踊らせて観るもんじゃない、そんな気持ちで観たら押井が言いたい事が全く伝わらない。この物語の良さが分からない。確かに今までの押井作品には無いアプローチだけど、根底に流れる冷たさ、その中に生まれくる人間的な温もりは同じなのかな。いや、今まで以上に人間的なのかも知れない。
更に鋭さを増したタッチでびっくり。というよりあくまでも原作を敬う形で物語が集約するあたり、押井の今作にかける情熱がうかがえた。ラストにかけて加速する展開は見もの。ループする日常に変化を求め一歩踏み出したユーイチの姿はすがすがしく、かっこよかった。
「君は生きろ。何かを変えられるまで。」
この一言に、がむしゃらに何かを掴もうとする事の大切さを見いだしたかったのだろうか。
商業的にならず、原作のメッセージや自身の想いを全面に押し出して制作されているように思いとても好印象。これは賞賛に値する。しかし万人受けするもんじゃない。
「他人に干渉したくない、されたくない」という、現代人の心にいつの間にか潜んでしまっていた「保守的すぎる精神」に、草薙氏の葛藤する姿はどう映ったのだろう。私には余りにも人間くさく、下手くそで、でも必死で生きていこうとする彼女がうらやましかった。最後の表情が希望を見い出してくれた。
いかんせん内容が文学的にかたよっているため若者には理解されにくいという残念な結果。
この作品はもっと注目されるべき。現代人は何を求め日々を生きているのだろうか。