キヨ君とトモ君ではあまり興味が湧かない…という方はワタシ以外にも結構いると思うのですが、芽吹氏と兵頭氏もしっかり登場して活躍していますので、番外編なら抜かしたろ、とはいかなくなっています。内容も手堅くて良品。文章にも妙なクセがなく、読み手を見えざる手で導くが如し、お上手ですね。ストーリーの流れも緩急と押し所を巧みにコントロールなさっていて手だれだなあ、と。毎度毎度キャラのトラウマチックで悲しい過去がプロット装置になっているあたり「いい加減…」という気もしなくはないですが、ここまで全体として巧くやられると文句のつけようがないです。
で、前回から評判が散々の挿絵ですが、前よりは丁寧です。しかしどうもこの妙なデフォルメが手の癖になってしまったようですから以前の端正さは回復出来ないでしょう。前回はスランプかと文句垂れを自重しましたが、この絵柄のままで次回の本編に流れるのかと思うとさすがに凹んできました。表紙に小さく登場する兵頭の絵をご覧下さい。素朴な疑問なんですが、前回から始まって、何故に兵頭の目には黒目がないんですかしら。妙なカラダの等身、先細りしてニョロニョロとクラゲみたいな手足、シンメトリーの狂った顔の造作…今回のこの画風のまま、「ギャグ漫画テイストで、もはやヴィジュアル的には全然カッコよくない」兵頭氏の姿に次回お目にかかるのだろーか、と全国100万人の兵頭ファンは青褪めるしかない。
改めてシリーズ最初の絵柄と比較して下さい。挿絵家さんはご自分で作って読者に提示したイメージを勝手に放擲している。多少の画風の変化なら読者も受け入れられます。しかしここまで極端なイメージの変化を作品並びに読者に押しつけるのはなんとも不誠実な行為という気がしてきます。自分の作ったイメージには責任を持つべきではないのか。絵描きさんがタッチの変化を止められないというのは分かります。となるとコレはもう出版社側の問題なのかもしれない。挿絵家さんを変更するなりなんなり、今後の対処を考えて頂きたいとさえ。