もう25年前に、東宝のミュージカルを見た記憶がよみがえりました。
大体においてブロードウェイミュージカルを映画化すると、舞台を見た者は満足しない事が多いのですが、この映画はその中では屈指の出来ではないでしょうか。
ティム・バートンの個性が上手くこの作品にはまったような気がします。
当時のロンドンのおどろおどろしい雰囲気が画面から伝わってきます。
歌を見事にこなすジョニー・デップもいいですが、ここではヘレナ・ボナム・カーターを誉めたいです。
小さい頃からこの役がやりたかったと言うだけあって、見事なラベット夫人を造形しています。グロテスクと哀しさを秘めた歌声が最高です。
「フランケンシュタイン」の時同様、今回もラストで炎に包まれますが、この人ほど炎の似合う女優はいないんじゃないでしょうか?この次は是非ジャンヌ・ダルクを演じていただきたい。
それから、本来なら美男が演じる船乗りアンソニーをあえて微妙な容姿の役者(賞味期限が切れた美少年と言う感じ)に演じさせているのが映画の雰囲気にピッタリで感心しました。
この賞味期限ぎりぎり感が全編に漂っています。(美男としてのジョニー・デップ、美女としてのヘレナ・ボナム・カーター、世界を引っ張っていく首都としてのロンドン。)
どんなものでも腐りかけたものが一番美味しい。
その風味がこの映画を傑作に仕立て上げたんだと思います。