愛するものを奪われた男が復讐心にかられ、最終的には復讐そのものに狂ってしまっていたとても悲しい物語です。
雰囲気ある街並みと服装。印象深いキャラ立て。モノクロの色彩美。
時にすこしコミカルな印象さえあるシーンもありますが、
「首切り」「人肉食」といったシーンが主に絡んでくるので、ダメな人は避けなければならないでしょう。
とはいえ、そこはティム・バートン。
このなかなか悪趣味なグロさも、チープさと交え、特有のブラック・ファンタジーといえる世界観の中に昇華されていると思います。
ミュージカルという作用もあり、特に童話的に感じさせてくれますね。
ミュージカルシーン自体も、個人的には歌も歌詞も引き込まれるものがありました。
いっぽうでそこによる現実性の弱さもあり、切迫感や悲哀感にはやや欠け、登場人物の心情と完全にシンクロするのは難しかったかもしれません。
特に驚きを狙ったような展開や見せ方ではなく、だいたい想像通りに物語は進みます。
この結末に反して衝撃には欠けると思いますが、無駄なくよくまとまっていて個人的には気に入りました。
最後のシーンはその映像世界ともあいまって、ある種の美しささえある終結だと思います。
その世界観に支えられた作品ですね。