札幌で昨年GW前に公開され喜び勇んで見に行きましたがもう度肝を抜かれましたね。冒頭から女性達が意味ありげにニヤニヤ笑い、これが何とも言えずアヤしい。そしていきなりセックスシーン。しかも幼児ポルノは御法度と言うことなのでしょうか、白いモヤモヤがかかってそれが晴れたらM.V.ピーブルズ本人へと入れ替わっている(この顛末は特典メイキングに詳しく、しかもモヤなし露出映像も流れます)。後半は類推するに予算が枯渇したのか、ピーブルズがひたすら荒野を走り続けます。そして犬の死骸(これが生々しく、撮影のために殺した疑惑あり)がクローズアップされ、「奴は必ず戻ってくる」とクレジットが出て終了。何だこれは。こんな終わり方で良いのか。だけどやたらと勢いがあり、音楽も最高にイカしていて熱気と躍動感と忘れられぬインパクトを受けたのです。
その後から関連文献を色々目にしましたが、でも喧伝されているような評価が今一歩理解出来なかったのです。そんなに革命的内容の作品だろうか。しかしこのDVDを手にしてついに分かりました。これは元々は3部作で作られる計画であったこと。ラストの煽り文句は、彼が戻ってきて黒人の革命社会を作り上げていく予告になっていたのです。そうだったのか、凄い。そして続編が見たかったし、それが実際阻害されてしまった程の問題作であろう事、だからこそスパイク・リーが彼を敬愛していることも分かったのです。
この映画の本編では当時の黒人達が追いやられていた現状が所々で顔を出します。娼婦、ゲイボーイ、靴磨き、教会はヤク中の掃きだめになり伝道師はおかしくなっています。そして不当に罪を問われたり拷問される黒人達。成り行きとはいえスウィートバックは白人社会に闘いを挑み、まるでアフリカのサバンナに見える荒野で「地霊の力」を得て追っ手を振りほどきます。やっばりこれはエポックメイキングな革命映画でした。