何と言っても、最近これほど気分爽快にさせてくれた映画はないですね。ふとしたきっかけで首を突っ込んだジャズの世界に、生徒たちが次第に魅せられていくのですが。がむしゃらにNo.1を狙おうとは考えず、全員で音楽を楽しんでいこうとする姿勢が非常に快く感じます。
矢口史靖監督はその3年前にも同じようなパターンの映画「ウォーター・ボーイズ」を撮っているので、下手すると2番煎じになりかねないこの題材を、全く新鮮な物語として映画の中に溶け込ませ、しかも中弛みなくまとめているのはさすが。もちろん前作も良かったのですが、それでもどちらかを選べと言われれば、私はやはりこの映画を選びます。
確かにこの映画の演出では荒削りなところが無いとは言えません。5人以外の生徒たちがジャズを好きになる場面があまりにも急展開だし、福士クン演じる野球部員たちとの係わりも中途半端に感じます。しかしそれらを補って余りあるのが、5人の生き生きした表情であり、テンポ良く進んで行くコミカルな展開です。ここではやはり上野樹里がいいのだけど、白石美帆の‘無責任教師’ぶりがケッサク。目立たないけれど本仮屋ユイカのトボケた様子も面白いです。
そしてラストのコンサートでは彼女たちの演技抜きの本当の「素顔」が観られるような気がしました。3ヶ月間の特訓が実を結んだ演奏風景は素晴らしいですよ。これは必見の映画です。