7年余りに渡って続いてきた本作もそろそろ終盤に近づいてきました。
長く続く作品ではある程度避けられない中だるみもやや見受けられますが、総合評価としてはやはり星5つあげたいです。
「生徒会」という学校生活における基本アイテムを活かした楽しい作品で、他にも創立祭や体育祭、修学旅行など、高校生ならではの
楽しいイベントが盛り沢山。実際にはこんな学校ないだろうなと思いつつ、それでも架空世界なりのリアリティはちゃんとあります。
絵もストーリーも安定していて下品なシーンは皆無、昨今の少女漫画の流れとは一線を画している作者さんがとても好きです。
そのスタンスはデビューされた頃からほぼ変わらず、正統的な少女漫画を描かれる作家さんと言えるでしょう。
10巻では卒業式&夏の京大進学の後押しがメインテーマとなっております。
卒業式後のイベントで手違いが生じ、とっさの判断で灯里に制服のボタンを投げて場を繋ぐ夏…卒業式でのボタンネタそのものはベタな設定ですが、
見せ方が巧いんだよなぁと思います。インテリでいつも冷静な夏は人前でそういうことを決してしなさそうだから、そのギャップも良い。
また、インテリも普通に恋するんだねというのを描いたところもちょっと新しい感じがします。
卒業式後のひとコマ、夏を好きなため灯里に嫌がらせをしていた女子が「あんな子がそんなに大事なの!?」みたいな事を夏に言った時、「大事だよ」と言い切るシーンとか。
従来のインテリ像には、想っていても気持ちをはっきり口に出したりというのがあまりなかったように思うので。
京大進学を迷う理由は灯里と離れたくなかったから―というのも意外に等身大で、新鮮に映ります。
自分の本心を押し殺してでも傍に居たいと思わせられるなんて、一般論としてはまさに女子冥利に尽きるのでは(笑)
結局は灯里の言葉で京大進学を決めますが、まぁ男としてはそうあるべき決断に落ち着いたと言えるかな。
しかし夏といい黒澤といい、灯里の言葉で進路への迷いが吹っ切れ、決断出来るとは、灯里はオイシイ役どころですね〜
多少出来過ぎ感はあるものの、灯里は明るくていいコだし意地っ張りだけど素直だしワガママでもない、要は異性に好かれそうな要素が揃ってるんですよね。
好き嫌いが結構分かれるキャラクターかもしれませんが、嫌味がないので私は好きです。夏の気持ちが解る気がするな(笑)
4月現在、番外編も含めてデラマでの連載は終わり、11巻では本編最終話+幾つかの番外編も収録され、それで本当に終了となるのでしょうが、
長らく親しんできただけに寂しい気持ちです。大学生編も見てみたい気がしますが、この物語の核だった「生徒会」というツールが使えなくなるので難しいかもしれませんね。