この本のテーマは題名の通り「変える」ということで、自分を変えるのであれば「自己啓発」といえるし、組織を変えるのであれば「組織人事」のカテゴリに入るのだろうか。この本はどちらにも適用できる。題名が「チェンジ」じゃないのは、この言葉があまりにもありふれている言葉だからだろうか。いずれにせよ良い本だった。
組織変革物語としては内容はありきたりだけど、その「たとえ」や「事例」がユニークで良かった。人間の理性を「象使い」、感情を「象」、環境を「道筋」に例えており、非常にイメージが沸きやすい。また、心理学や行動経済学、最近の企業の事例、名著からの引用を用いた説明がところどころちりばめられており、非常に説得力があった。
さらに、この本に書かれている多くの変革の事例は「権力がない人」が主役になっており、これまで経営者向けに書かれていた本に比べるとサラリーマンにとっては実用的だ。周囲の「巻き込み方」についてわかりやすく書かれてある。もちろん著者も書いているとおり万能ではないけど、良いヒントにはなると思う。