この本は、スイスという一個の国が直面している諸問題について述べたエッセイです。著者は警察庁長官→スイス大使という経歴を持つエリート官僚。しかし官僚と侮るなかれ。鋭い切り口と暖かい語り口、論理的で明快な展開と文章からにじみ出るユーモアは、一読すれば明瞭でしょう。この御仁、タダモノではありませんぞ。
ハイジや牧歌的風景のイメージが先行するスイスですが、政治システムが絶対的主権在民であることは知っていましたか? 国民総投票で過半数+各州の過半数というダブルマジョリティの原則があったなんて、私、はじめて知りました。
こうした政治システムや武装中立であることの意味、国民性や歴史的背景などについては、あまり知られていないようです(まぁ「観光」には必要ありませんからね)。
観光だけでなく、スイスという国そのものに興味のある方、是非どうぞ。