以前産科医療に従事していた者です。産科医療、不妊治療の現場を知っているだけに主人公の描写があまりにも産婦人科医としてどうかと思います。もちろん小説だからと言われればそれまでですが…。 代理母問題を提起した作品かもしれませんが、代理母問題以前に不妊治療の技術を悪用し、他の夫婦に自分の受精卵を戻すなんて行為はいくら自らが不妊になった産婦人科医とはいえ、もちろん一人の女性としてもこのような突飛な行動には小説とはいえあまりに無理があると思います。あんな傲慢な考え方を持つ女性が産婦人科医としてその知識と技術を悪用しておきながら、その後も平然と産婦人科医を続けれる心理もまたわかりません。作者は何か母性をはき違えているのではと思います。産科医療はこのような程度の低い倫理観のものではないと思います。この点が作者が医師とはいえ、専門分野が違う、男性の感性で書いた作品なのだと思います。この作品を一般の方々が読んで、代理母問題を考えるきっかけになるのは根本がずれていて、問題を歪ませて考えてしまう気がしてならないです。レビューを見ると皆さん高評価だったので、期待して読んだだけに内容にガッカリでした。