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5つ星のうち 4.0
買いです。,
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レビュー対象商品: ジーザス・サン (エクス・リブリス) (単行本)
解説で柴田元幸氏が言及されているカーヴァーよりも、訳された言葉の質感からブコウスキーを連想しました。また、昨年読んだ「通話」のロベルト ボラーニョより、当たり前といえば当たり前ですが、描かれている「暴力」がずっと乾いているので、その分猥雑さに欠けるところがあり、したがってそれだけ風通しがよいような印象も受けました。しかし、作品の並べ方と「ジーザス・サン」というタイトルから、この文体がなければ矮小化した読み方に陥ってしまいそう(解説で柴田元幸氏もそのことに触れています)ですが、いずれの作品にもそうさせない「毒」のようなものが仕込まれており、はまれば容易には抜け出せない、麻薬性の魅力を有した作家です。また、村上春樹氏の「バースデイ・ストーリー」に、「ダンダン」という短編が収められており、そこに付された氏による短い解説も、この作家の特質を知る有用な手がかりを与えてくれます。
5つ星のうち 4.0
ソリッド!,
By cobo "コボ" (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ジーザス・サン (エクス・リブリス) (単行本)
何に近いか?と聞かれたら文体を無茶苦茶ソリッドにして題材をもっと破天荒にしながらも落ち着くべきポイントを逃さないレイモンド・カーヴァーとでも申しましょうか。もしくはあのトム・ジョーンズをもっと日常に置き換えてドラッグまみれにした感じでしょうか?とにかくザラリとしていて先が読めなく、しかも居心地の悪さが非常に高位で安定しているというシロモノでして、衝撃度ではかなりのものがありました。短篇集なんですが、訳者である柴田さんもあとがき述べられてますが、連作短編としてしか読めない短編集です。私が気になった、と言いますか、引っかかったのはもうほぼ全てなんですが、あえて絞ると、突然としか言いようの無いこの瞬間を平坦に低い眼差しで捉え、しかも冒頭のもっともドラッグ色の強い「ヒッチハイク中の事故」、描写としてピントは合っているのに情報不足ではない居心地の悪さからくる眩暈や白昼夢にも似た感覚を覚える(そういう意味では「エレンディラ」の頃のガルシア=マルケスに似ていなくも無い)「二人の男」、最後の文章辺りはもう詩のようなソリッドさを感じさせる「保釈中」、悪夢、という形容詞がふさわしいのに、映画や小説やドキュメンタリーで言う『悪夢』とは違った現実味でありリアルを感じさせつつ、視覚的ヒロガリを感じさせる作品中最も個人的に好みの作品「ダンダン」、多分一番カーヴァー作品に近い「仕事」、まさに『ぶっとんでる』「緊急」(なんかどうしても、特にこの「緊急」と「ダンダン」は本当に身に起った出来事のように思えてならないです)、そして完成度として最も高いと思う「ベヴァリー・ホーム」です。 私はもちろん衝撃を受けましたけれど、この短編集を『二十世紀末に出た短編集で誰もが名を挙げる一冊』という風に評価する土壌のあるアメリカ社会というものに衝撃を受けました。そんなに日常にドラッグがあるんでしょうかね。日本はそういう意味では平和なんでしょうね。 しかし映画化してるん(ホントに?)ですか!?見てみたいです〜
8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
デニス・ジョンソンの本格的な邦訳,
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レビュー対象商品: ジーザス・サン (エクス・リブリス) (単行本)
本当に面白かった。現代アメリカを舞台にした短編集ですが、デニス・ジョンソンの独特な文体は、対象を突き放しているようで実はひとなつっこい。売人や前科者や中毒者ばかりを描きながらも、冷徹にドライになりきれないのは作者本人の性格なんだろうなぁ。過激なようでメロウな短編小説集。内容をちょっと抜粋してみた; ヴァインではそういうことがしょっちゅうあった。今日を昨日だと思ったり、昨日を明日だと思ったり。それは俺たちがみんな自分のことを悲劇の主人公だと思っていたからだし、いつも酔っぱらっていたからだ。無力な、運命に呪われた気分を俺たちは抱えていた。俺たちは手錠をはめられたまま死ぬのだ。生なかばで断ち切られ、しかもそれは俺たちが悪いんじゃない。そう俺たちは想像した。でも俺たちはいつも、何か馬鹿みたいな理由で無罪になるのだった。(『保釈中』) 翻訳者の柴田元幸さんの解説もよかったです。ちょっとだけご紹介。 いま読んでみると『ジーザス・サン』で何より目立つのは、そこらじゅうに地雷が仕掛けられているかのような、その文章にみなぎる電位の高さである。突如出てくる、書き違いではないかと思えるような一見場違いなフレーズ(たとえば「ヒッチハイク中の事故」や「仕事」の終わりの一文)は何度読んでもインパクトを失わない。そうしたほとんど幻覚のような衝撃力をもった言葉が出てくるのは、登場人物たちのみならず、作者デニス・ジョンソン自身がかつて薬物常用者だったこともある程度は関係しているにちがいない。だが言うまでもなく、薬物常用経験者なら誰でもジョンソンのように書けるわけではない。
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