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ジーキル博士とハイド氏 (光文社古典新訳文庫)
 
 

ジーキル博士とハイド氏 (光文社古典新訳文庫) [文庫]

ロバート・ルイス スティーヴンスン , Robert Louis Stevenson , 村上 博基
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

街中で少女を踏みつけ、平然としている凶悪な男ハイド。彼は高潔な紳士として名高いジーキル博士の家に出入りするようになった。二人にどんな関係が?弁護士アタスンは好奇心から調査を開始するが、そんな折、ついにハイドによる殺人事件が引き起こされる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

スティーヴンスン,ロバート・ルイス
1850‐1894。イギリスの詩人・小説家・随筆家。エディンバラに生まれ、病弱の身ながら、ヨーロッパ、アメリカ西部、南太平洋の島々を渡り歩き、サモア諸島で没

村上 博基
1936年生まれ。東京外国語大学独語科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 159ページ
  • 出版社: 光文社 (2009/11/10)
  • ISBN-10: 4334751954
  • ISBN-13: 978-4334751951
  • 発売日: 2009/11/10
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By patella
形式:文庫
 ジーキルとハイドという人物の関係についての謎を書いたミステリーであり、殺人や薬による変容の恐怖を描いたホラー。解説は東雅夫氏。
 予想外に短い。だが、一番予想外だったのはハイド氏が小柄で、外見もまったくジーキル氏と違う、というところである。舞台や映画では一人二役で演ずるイメージがある。ジーキルとハイドが「一人の人物」であることを強調する演出としてはそれが最適だったのだろう。そしてそのイメージが定着したのだ。しかし、考えてみれば一人二役で外見に共通性が残っているよりも、外見も変わってしまう方が「根源的な改変」の怖さが強い気がする。小柄なハイド氏が背の高いジーキル博士の服の袖や裾を捲り上げてきている姿は滑稽でもあるが。

 短いが、細かな描写がとても丁寧である。明るい表玄関と、窓もない裏口側という建物は、解剖医ジョン・ハンターの家がモデルなのだそうだが、確かに実在した家屋の構造を知らないと描けないようなところもたくみに利用されている。ジーキルとハイドの行動が無理なく説明できるのである。
 後半の、謎解きとなるジーキル博士の手紙の部分がかなり長いが、ここの描写も丁寧で、前半の不可解な人物の与える怖さとはまた違う怖さである。薬で自分の「快楽を追求する」部分を分離して楽しむうち、薬の量を増やさないと聞かなくなる、無意識に人格が変わっていることがおき始める。どこやら「麻薬」の症状を描いているような怖さでもある。著者は薬もかなりよく知っていたのだろう。

 上質な恐怖推理小説として、やはり一読の価値はあると思った。もっとも「謎解き」の部分については、ジキルとハイドの関係はあまりにも知られてしまったので、出版当時の読者のように楽しむというわけには行かないのが残念かもしれないが。

 ちなみに、翻訳者の解説によると最近は「ジキル」ではなく、日本語では「ジーキル」と表記されることが一般的だそうである。
このレビューは参考になりましたか?
By k84
形式:文庫
有名な話なので、どこかで映画か何かの場面をちらっと見たぐらいで、読まなくても知っているつもりでいました。でも、読んでみると予想と違っててすごく面白い。

古い小説で有名なものは、「当時は受けたんだろうけど、今はどこが受けたのかもわからないや」というものもありますが、これは当時の新しさはこの辺にあったのではないかという輝きがまだちゃんと光っています。

ジーキル博士が薬を飲んだ理由も、私が勘違いしていた陳腐な恋愛関係ではなく、良心というものは何者で、どこまで力を発揮するのかという根源的な問題だと思います。

Dr. Jekyll and Mr. Holmesというパロディが読みたくて、予習のつもりで読んだのですが、これだけでも大満足です。薄い割に中身は濃いです。何度も読み返したくなる本です。
このレビューは参考になりましたか?
By 倒錯委員長 トップ500レビュアー
形式:文庫
弁護士のアタスン氏は友人で高名な博士のジーキル氏から遺言状を預かった。しかしそこには
ある男に氏の死後に全財産を譲るとあり、アストン氏自身はその男を知らない。男の名はハイド。
なにか好ましくない背景があるとにらんだアタスン氏は、独自の調査を開始。ハイド氏の素性を
明かそうとする彼だったが、彼を待ち受けていたのは、恐ろしい真相だった…。

言わずと知れたスティーブンスンの代表作のひとつ。むしろ二重人格だとか性格の二面性について
「ジーキルとハイドだ」と表現できても、この原作そのものを読んだことはないという人も多いんじゃ
ないだろうか。そんな『ジーキル博士とハイド氏』の光文社古典新約文庫だ。相変わらずこのレーベ
ルは訳が読みやすい。

というわけで、よほどのことがない限りこの結末を予想できない人はいないだろう。「え、ええええハ
イド氏はあの人だったの!?」なんてことは、まずない。その点で、出版された約150年前、イギリス
はヴィクトリア朝時代の読者に比べれば、インパクトは劣るだろう。

ただ、なぜこういうのが当時受けたのかを考えるのも面白い。なにかと抑圧を強かった時代だと考え
ると、抑圧されない自己=ハイド氏がいつ自分の理性の殻を食い破って出てくるかわからないという
恐怖が、観客に感染したのかもしれない。いずれにしろ、分裂した自己というモチーフの先鞭をつけた
という意味では、エポックメイキングな作品であることに変わりはない。

ただ、不思議な点もあって、ジーキル氏が初めてハイド氏をみたときに自分で作っておきながらハイド
氏がといっていて、ハイドという名前はあんたが付けたんじゃないのかという話だったり、慌てて彼が
同じ薬をもう一度飲むのだが、なんでもう一回飲むと元に戻れると踏んだのか、むしろ悪化する可能性
もあるんじゃないかと考えたり。そういうツッコミどころも含めて楽しむもの、ではないかもしれないが…。
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