ベスト盤を買う目的には2パターンある。1つはずっとファンだった人がそのアーティストの足跡を振り返るために買うというパターン。もう一つは、何かのきっかけでそのアーティストを知ったとき、「はじめての一枚」として買うパターンだ。
僕は後者だ。東京ジャズ2009ではじめて神保彰を知り、圧倒された。これは凄い、と思って早速CDを探したのだが、彼のキャリアはとても長く、一体どれを買えばいいのか分からなかった(ちなみにあのカシオペアのメンバーの一人でもある)。そこで、ちょうど出てきたこのベスト盤を買うことにした。
それで、中身はというと、予想以上によかった。スタイルはフュージョンだが、ラテン(ボサノヴァ)やジャズがほどよくミックスされ、かつポップス感もあり、楽しく聴けた。中でも気に入ったのはディスク2の前半、JBプロジェクトによる演奏だ。アコースティック楽器は耳に心地よい。1曲目「Wishful」もさわやかでいいが、ベストは2曲目「Giant Steps」だ。ジョン・コルトレーンの名曲でオリジナルも大好きだが、こちらは「こういう解釈の仕方もあるんだ」といった感じ。2分半という短い時間の中でたたみかけるように曲が進む。聴くと思わずテンションが上がる曲だ。他にも、東京ジャズでも演奏された7曲目「Wicked」や10曲目「Jimbomba」もカッコいい。
神保彰。ドラムのテクニックは世界最高峰、さらに作曲も一流。これからも聴いていきたいなと思う。それではまず、同時発売の新作「ジンボガンボ」を買おう。世の中には僕の知らない凄い人がまだまだたくさんいる。