タイトルだけ見ると、結婚や恋愛がらみの「その手」の本かと思いますが、多分、その期待は裏切られます。「善」と「悪」という概念や、その両者に共通して流れる「生命」ということについて、対談形式で分かりやすく説かれています。スターウォーズのヨーダを師と仰ぐような方(結構いますよね)は必読の書です。
ジョージ・ルーカスも参考にしたというジョーゼフ・キャンベルは、世界中の神話を研究して、そこに奇妙なほど「善」と「悪」の構図に類似性があることに気づきました。更に研究を進めていくうちに、地域特性に関係なく、優れた神話は「生命」についてのメッセージを、驚くほどの同一性を持って語っていることを発見しました。
北欧神話やケルト神話、ギリシャ神話は言うに及ばず、イザナギ・イザナミに代表される日本神道の神話でも、読んでみると結構、話の筋がメチャクチャで、誰でも簡単に殺すし、死んだりしてて、かなり、支離滅裂で理不尽な内容だったりします。
でも、その神々や英雄の言動は、「神」という意匠をまとっているだけで、実際は「生命」の躍動、と捉えることで、明確なメッセージが浮き出てくる、というのが、キャンベルの語っているメッセージだと感じました。この本に出会い、それからキャンベルの研究内容の集大成の論文(「千の顔を持つ英雄」)を読んで、非常に豊かな生命観をもらったと思っていますが、そんなキャンベル神話学へのとっかかりとして、本書はオススメできます。