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ジョージ四世の夢のあと - ヴィクトリア朝を準備した「芸術の庇護者」
 
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ジョージ四世の夢のあと - ヴィクトリア朝を準備した「芸術の庇護者」 [単行本]

君塚 直隆
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

一九世紀前半、イギリスで摂政時代と呼ばれる時期があった。病で執務不能になった国王ジョージ三世に代わって、皇太子(のちのジョージ四世)が摂政だったためである。彼は、ナポレオン戦争後の国力疲弊の折でも、莫大な費用を惜しまずロンドン市街を改造、バッキンガム宮殿を現在の規模に造営し直し、大英博物館やナショナル・ギャラリーなどを整備した。そして、自ら選び抜いた美術品でそれらを飾っていった。ヴィクトリア朝でイギリスが真に世界の覇者となった背景には、この時代の基礎固めがある。放蕩三昧で評価の低い国王の事績を積極的に見直し、「ダンディの時代」の魅力を伝える一冊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

君塚 直隆
1967(昭和42)年、東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒業。1993‐94年、英国オクスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジ留学。上智大学大学院文学研究科博士課程修了。東京大学客員助教授などを経て、神奈川県立外語短期大学教授。専攻、イギリス政治外交史、ヨーロッパ国際政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 214ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2009/12/11)
  • ISBN-10: 4120040828
  • ISBN-13: 978-4120040825
  • 発売日: 2009/12/11
  • 商品の寸法: 19.6 x 13.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 驚異的なスピードで高度な内容の著書を発表し、今や、近代いイギリス史の若き大家ともいうべき
存在である君塚氏の最新作である。他のレビュー者が指摘するように、読み物としても興味深いが、
実は、史料と最新の研究動向を踏まえた、学術書としても価値の高い本である。ジョージ4世の人物像を語る章では、これまでの我が国のイギリス史の概説書ではあまり触れられていない、第一次選挙法改正までのイギリス政治史が、簡潔ではあるが的確に述べられている。また、公共建築、芸術の章は、いわゆる公共性、勲章の創設の章は、儀礼外交と王室の役割という、現代歴史学の最新のテーマが語られている。
 当初は、評価されなかったが、後の時代においては大きな役割を果たした人物と、彼の治績というテーマは、現代日本の政治を考える際にも、有益な視点である。イギリス史の専門家にはもちろんのこと、
歴史学を志す学生、歴史、政治に興味をもつ一般読者にも、ぜひ一読をおすすめしたい名著である。
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形式:単行本
事業仕分けの様子に代表されるように、昨今、合理的で実用的な分野が優先され、芸術文化といった分野がないがしろにされているように思われる。そのような状況に警鐘を鳴らす作品が本書である。

本書の内容は、ジョージ4世(皇太子時代も含む)が実施した数々の芸術、建築、儀礼等の政策に隠された意図から、当該政策が国際政治、社会、文化などにいかに寄与したのかを明らかにしている。具体的な内容についてはぜひ読んでもらいたい。筆者の文章は明快かつ端的であり、非常に読みやすい。手に取ったのが夜中11時であったが、寝るのも忘れて読んでしまった。

また、表紙装画にもぜひ着目してほしい。筆者の遊び心(?)が隠されている。当該絵画はフランス第一帝政崩壊後およそ2ヶ月後に書かれたものである。かつてイギリスは同盟国と抜け駆けしていたこともあり、「不実のアルビオン」と揶揄されていたが、ピット政権下で新たな国際秩序の構築・維持のため全面的に協力することを明らかにした。その後、対仏大同盟に発展し、1814年3月のショーモン条約では4列強の同盟維持、イギリスからの金融支援、そしてヨーロッパ安全保障体制への介入を明示し、「不実のアルビオン」という汚名を返上したのであった。
当該絵画はナポレオン戦争を終結に導いた功労者であるイギリスに敬意を表すために、ロシア皇帝及びプロイセン国王がジョージ4世(当時は摂政皇太子)を訪問した際のものであり、イギリスが「不実のアルビオン」ではなく「大国」として認められた瞬間であった。そのような意味のある絵画を表紙装画に使った筆者のセンスに唸った次第である。
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