世界有数の投資家であるソロス氏がどのような気持ちで慈善活動に力を入れているのかを知る上での良い入門書です。薄い本なのでサクッと読めます。
彼の師、カールポッパーによる「科学的手法における反証可能性」「批判的合理主義」「開かれた社会」を信奉し、「人間の安全保障」をテーマに掲げる彼の哲学には共感できます。なにしろ実践している事が素晴らしい。
本書でも触れているポンド危機、アジア通貨危機の際にはソロス氏が暗躍し多大な利益を得たと批判もされますが、彼がやらなくても他の誰かが同じ事をやったまででしょう。むしろ公共心のある彼でまだ良かったのかもしれませんね。
市場原理主義についての彼の哲学も知りたかったのですがあまり触れられておらず他書にあたる必要がありそうです。
日本では極端な資産家は生まれにくいので個人で彼のような活動は難しいですが、それでも彼ぐらいのスケールの世界観を持っている人材が少ないように思われるのは残念ですね。