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ジョーカー・ゲーム (角川文庫)
 
 

ジョーカー・ゲーム (角川文庫) [文庫]

柳 広司
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (62件のカスタマーレビュー)
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第30回(2009年) 吉川英治文学新人賞受賞

内容紹介

スパイ養成学校“D機関”。常人離れした12人の精鋭。彼らを率いるカリスマ結城中佐の悪魔的な魅力。吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞W受賞の究極のエンタテインメント。

登録情報

  • 文庫: 280ページ
  • 出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011/6/23)
  • ISBN-10: 404382906X
  • ISBN-13: 978-4043829064
  • 発売日: 2011/6/23
  • 商品の寸法: 15.3 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (62件のカスタマーレビュー)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By みょ
形式:文庫
タイトル通り。

この小説の肝は、「現実感」(リアリティ)ではないだろうか。

フィクションであるので、一部荒唐無稽とも言える描写も当然ある。
だが、そういった描写があって尚、この小説には妙なリアリティが、確固たる物として存在するのだ。
特定の主人公がいない、連作短編形式でテンポ良く紡がれる物語の中に登場する人物達、
そして発生する事件、その真相、それらのどれもが「ありえそうな雰囲気」を醸し出している。
無論、あくまでそえは「雰囲気」であり、実際にはどうであるかを突き詰めていけば、
噴飯物の荒唐無稽さであると断じられる事になる部分も多々あるのだろう。

だが、この小説は、そんな風に突き詰めていこうとする気を失わせる、そんな「雰囲気」に
満ち溢れている。一種の「空気」を発生させ、上等な酒を呑んだ時にそうなるように、
それを酒であると意識せずして酩酊に陥っているように、この作品は読む人間を
ぐいぐいと物語の中へと引きずり込み、酔わせていく。
筆致であったりと言った、細かい分析は、素人故にできない。
舞台装置であったりの配置の妙なのかもしれないが、その辺りも詳しい分析はできない。

だが、厳然としてこの作品には「雰囲気」がある。それだけは、実感として断言できる。

そんな「ありえそうな雰囲気」の中で「ありえない事」をやってのける、各話に登場するスパイ達が、
また揃って「カッコいい」。その誰もが、どのような困難に相対した時であろうとも、
「自分ならこの程度のことはできなければならない」という強烈なまでの自負心と、
己の中に叩き込んだスパイとしての”技術””知識”でもって切り抜けていく。
「ありえない事」をやってのけるのだから、そんな彼らも「ありえない人間」で
あり、実際にそう描かれている。
それでも、彼らは「超人」ではない。「超人」としては描かれない。
”魔王”の異名を持つ結城中佐ですら、それは変わらない。
「ありえない人間」つまりは(良い意味での?)「ヒトデナシ」ではあっても「人を超えている」ようには、
決して描かれていない。
だが、だからこそ「カッコいい」と、そう素直に思えるのだ。
だからこそ、「ありえそうな雰囲気」が生まれ、酩酊させる「空気」が生じ、
ぐいぐいと物語に引き込まれるのだ。
素人批評としては、せいぜいそんな風に「思う」のが精一杯である。

先にも述べた通り、連作短編形式で、各話には(少なくとも第一作である「ジョーカー・ゲーム」時点では)
直接の繋がりもないので、気軽に一話ずつ読み進める事も可能だ。
故に、忙しくて最近小説とか読む時間が・・・という人にもオススメできる。
・・・とはいえ、これもまた先に述べたように、グイグイと引き込まれる物語に
はまってしまえば、いつの間にか時間が経っていた、などという事になる可能性も
十分考えられるので、そこの所は要注意だ。何故なら自分がそうなったからだ(笑)。

シリーズ続刊も早速注文した。届くのが楽しみだ。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
’08年、「このミステリーがすごい!」国内編で第2位に、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門で第3位に堂々ランクインした連作短編集。’09年度「第30回吉川英治文学新人賞」、「第62回日本推理作家協会賞・長編及び連作短編集部門」をダブル受賞。本書で柳広司は大ブレイクした。

太平洋戦争突入前の昭和10年代。結城中佐が独自で陸軍内でつくったスパイ養成機関“D機関”。その5つのエピソードが語られる。

『ジョーカー・ゲーム』憲兵隊が暴けなかった親日派外国人のスパイ容疑を調査する。
『幽霊−ゴースト−』横浜の英国総領事館公邸に出入りする機関卒業生による調査の顛末。
『ロビンソン』ロンドンに潜入し、英国諜報機関に捕らえられた機関卒業生の脱出行。
『魔都』上海に潜入し、当地の派遣憲兵隊大尉の真の姿を暴く。
『XX−ダブル・クロス−』二重スパイの証拠固めの最中に起こった密室殺人の真相は。

これまでのエスピオナージュものの長編では、映像化しやすい超人的なヒーローがスパイ必携の大道具・小道具を駆使して敵の目をかいくぐって極秘情報を手に入れたり、自国に潜入したスパイを監視したり倒したり、場合によっては要人警護・確保・暗殺など手に汗握る諜報戦やアクション、スケールの大きな国際謀略が売り物だった。

ところが本書においては、結城中佐という、きわめて個性的で強烈なキャラクターをもって、「死ぬな、殺すな」という戦時においては逆説的な“D機関”というスパイ機関そのものの存在をフィーチャーした、謎解きの興趣に満ちた、パンチとひねりの効いた、かつ贅肉をそぎ落とした文章で綴られ、ストレートに読みきれるハイレベルな短編の集合体にしたところが大きな特長であろう。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 秀文
形式:単行本
これほど評価の分かれる作品も珍しいと思います。読みやすくて、半日で読了しました。しかし、何が面白かったのかと聞かれると、確かにちょっと困ってしまう。ストーリーが練られているわけでもなければ、魅力的な人物が登場するわけでもない。登場人物がクールで、彼らの情熱に酔うこともできない。ただ、うまく表現できないのですが、筆致になにかしらの安定感がある。安心して読んでいられる。ワクワク感があるというより、心地よい安定感ですね。決して読者を裏切らない。そう、確かにDEEPなミステリーの読者を満足させることは難しいかも知れません。しかし、一服の清涼剤として、一日の疲れを癒す読書の楽しみは十分に与えてくれる力作だと思います。
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最近のカスタマーレビュー
コーチングの名著でもある。
舞台は第二次大戦中に陸軍に設けられた架空のスパイ養成学校である「D機関」。... 続きを読む
投稿日: 19日前 投稿者: MephistoWalker
スリリング
スパイ小説じゃなくて、スパイ設定のミステリーだったので、
とても面白かったです。... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: イージーライダー
待ちに待った文庫化でしたが。
柳広司さんの本は初めて読みました。
スパイものの短編集という初めてのジャンルでした。... 続きを読む
投稿日: 6か月前 投稿者: bouya
寝る前に読むには面白かったです。
2008年に大ブレイクしたんですね。全然知らなかった‥。
文春も長く目を通していますが、... 続きを読む
投稿日: 7か月前 投稿者: ビオス
超人たち
 2008年に出た単行本の文庫化。
 5本を収める短編集。... 続きを読む
投稿日: 8か月前 投稿者: 志村真幸
新しい感覚のミステリー
時代設定が昭和10年代で、主人公が陸軍特務機関のメンバー。時代がかったものかと思いきや感覚は新しく、こんな人物が実際に存在したなら、ひょとすると愚かな太平洋戦争も... 続きを読む
投稿日: 8か月前 投稿者: jun1958
続きが読みたい、、、
期待以上におもしろくて一気に読んでしまいました。続きが読みたい、、、文庫本で。楽しみにして待っています。
投稿日: 8か月前 投稿者: かどぴ
面白いのに、惜しい
D機関と結城中佐の存在、そしてその存在意義、故の物語展開。
面白いです。

ただ、設定と構成が面白いのに、... 続きを読む
投稿日: 9か月前 投稿者: サディ松本
物語の背景は戦中でも、ストーリーは古さを感じない
戦時中の陸軍が、新たにスパイ養成学校を立ち上げ、そのメンバーが従事する案件の話。当時の日本のスパイと言う概念ではなく、国際的な考えに基づいて、まったく新たに設立さ... 続きを読む
投稿日: 13か月前 投稿者: Yoshi@Shonan
全体的に、短編としては凝った作りが際立っているが、作品によって出来不出来もある
各種ミステリ・ランキングの上位に軒並みランクインしているこの作品を読み終わって、私が最も印象に残ったのは、我々が一般的に思い描くスパイ像とは異なるというだけではな... 続きを読む
投稿日: 14か月前 投稿者: gl510
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