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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
良質のジュブナイル,
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レビュー対象商品: ジョン平とぼくと3 ジョン平とぼくらの世界 (GA文庫) (文庫)
「ジョン平」三部作の完結編。このシリーズは、ちょっとだけ私たちとの世界とは違った世界に住んでいる、いろんな意味で少しだけ不器用な高校生の物語です。不可解な事件に巻き込まれた主人公は、持ち前の洞察力と勇気をもって謎に立ち向かいます。そして事態はやがて大事件へと発展し・・・。主人公が感じている、そんなに深刻ではないけど常につきまとって離れない「生きにくさ」は、青少年時代には誰しも感じている(いた)ところでしょう。主人公は基本的には独りでそれに向き合わなくてはならない。でも、本当は決して独りではなくて、彼の使い魔ジョン平をはじめとする、完全に理解することはできないけれどそれでも信頼で結ばれた他者の存在に励まされ、助けられ。 そのへんの、青少年の自我と他者の関係の確立のプロセスが(って大上段に構えて書くのが恥ずかしくなるほど自然体の小説なのですが)、派手ではありませんが丁寧に描かれています。 いわばそれが「横糸」なのですが、一方「縦糸」である「事件」のほうはというと、魔法という一見何でもありな設定をもちこんでいるにも関わらず、ご都合主義や破綻を感じさせない計算されたプロットで、最後まで飽きさせません・・・まあ「敵」の目的が割とありがちかもという気はしないでもなかったのですが、全体からみたらそんなことは大した問題ではない。 書評子は著者である大西科学(ジャッキー大西)氏の雑文ウェブサイトの長年のファンです。短い雑文でのセンスの切れ味が長編小説でも損なわれていないかどうか、期待が大きいだけに心配もあったのですが、まったくの杞憂でした。久しぶりに良質のジュブナイルを読ませていただきました。
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
新しい学生生活の始まり,
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レビュー対象商品: ジョン平とぼくと3 ジョン平とぼくらの世界 (GA文庫) (文庫)
春。新入生がやってきた。お付き合いで一年生の教室まで行った北見重は、クラスの集団の中心に、ここにはいないはずの人物の顔を見かける。三葉と名乗っていたあの猫だ。しかし彼女が学校にいるはずもなく、今いるのは三葉の変身のモデルとなった子、のはず。そうなればもちろん父親であるあの男も出てくるわけで…彼らの目的や色々な人たちの関係が明らかになる第三巻。第一部完です。 ここでこの作品の世界観の特徴を考えてみよう。現代社会との大きな違いは魔法があること。(実は携帯電話も登場していないけれど、それはあまり問題ではなさそうなのでおいておく。)この魔法の特徴は、効果が小さいこと、ではなくて、人間(たち)が存在しないと使えないという事だ。 もちろん、魔法のエネルギー源は陽素や陰素と呼ばれる核反応により生成する何かであり、それ自体は人間がいなくても存在する。しかしそれは、ただあるだけでは世界に対して何の影響も示さず、いくつかのキーワードを唱えることにより脳内に引き起こされる反応が陽素を変換し、現実に影響を及ぼす。例えるならば、原油だけあっても意味がなく、ナフサを精製し石油製品を作ってはじめて商品価値があることに似ている。こう考えると、人間が陽素を材料として引き起こした現象(=魔法)と、人間が道具を使って引き起こした現象(=科学)は全く等価になる。 本作のクライマックスでは、魔法>科学になる可能性が示されたが、それは実現することはなかったので、本当にそれが可能かは分からない。ただ、みんなが願えば世の中が良くなる、というのは、魔法があってもなくても真実であると信じたいところだ。
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