人の世には「縁」というものがあり、人や物事は縁の連鎖によってその人生という道程を辿っているのかもしれません。
ジョン・マンの人生もそうであるし、私がこの本を知る由も一つの縁からだったのかもと思っています。
昨年の夏、私は車で一人旅をしており、下北半島の、線路が果てる辺り、斗南藩士上陸の地を過ぎた頃、カーラジオから山本一力さんの声が聞こえてきました。
山本一力さんの著作は実は一度も読んだことはなかったのですが、ジョン・マンやその後の遣米使節団のエピソードを語る一力さんの語る言葉には自信ともいえる響きがあり、(ああ、きっといい小説が書けそうなんだ)と私はハンドルを握りながら確信したのでした。
そして出版日の翌日には本を買い求め、翌日の一日中、夢中でで読んでしまいました。面白い本はページをめくり進めるのが惜しく思えることがあるのですが、この本はまさにそうでした。
この「波涛編」はジョン・マンの人間性と生い立ち、縁のある人を描き出し、これから波乱万丈の大洋へ向かう物語の礎ともいえる内容となっています。
明治維新はその後の体制の思惑もあって意外と知られていないところも多く、咸臨丸の勝海舟が遣米使節で日米修好通商条約結んだ、という間違った知識程度しか持ってなかった私にとって続編は物語とともに幕末明治維新の史実にも大いに期待しています。
ですので、一刻も早く続編を著して欲しい、と切として願っています。