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社会主義というと、それだけで引いてしまう人が多い(わたしもそう)でしょうが、ごくわずかな先進国による富の独占や、自然破壊がより深刻な問題になっている現代、この本のメッセージは、普遍的な意味合いを帯びて心に響きます。また、冒頭から始まる、中世の建築物についての描写からは、デザイナーとしてのモリスの愛着が感じられ、けっして、激しい運動と啓蒙一辺倒の本ではありません。
本編が短いぶん、多めの訳注と解説がついています。まず先に、『ワット・タ!イラーの乱』についての説明を読むと、すんなりと作品世界に入っていけると思います。
それぞれの時代には、それぞれの問題があって、その時代に生きる人間には、解決法はおろか問題そのものも見出せないことがしばしばある。しかし人間は、「自然」を離れては、繰り返す「歴史」を無視しては生きていけないのではないか。モリスのメッセージは、表紙の花模様にも生きているようである。
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