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ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー
 
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ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー [単行本]

白石 美雪
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 3,360 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

ジョン・ケージの音楽作品を音楽学者ならではの鋭い視線で分析。同時に、ブラックマウンテンカレッジやストーニーポイントなど、ケージと友人たちのリアルライフと時代の軌跡を追い、音楽家としてのケージに迫る。巻末には344曲(全曲相当)の作品リストを収録。楽器編成、演奏時間、初演者情報など詳細なデータを通じてケージ作品の全容に迫る。

出版社からのコメント

第20回 吉田秀和賞 第44回 造本装幀コンクール 審査員奨励賞

登録情報

  • 単行本: 320ページ
  • 出版社: 武蔵野美術大学出版局 (2009/9/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4901631896
  • ISBN-13: 978-4901631891
  • 発売日: 2009/9/26
  • 商品の寸法: 21 x 15 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 628,033位 (本のベストセラーを見る)
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8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By momi
形式:単行本
欧米の先行研究を紹介していない、文体にそぐわない不誠実な本。ケージ論や、彼のアーカイブの情報などは、ネットに溢れているのに。

・インド音楽のラーガを音列から論じることは、当たり前なのに、それを当たり前と書かず、変な概念図を持ち出し、煙に巻く。紹介はよい。しかしやるべきは、その視点にたって、自分のケージ研究を語ることだろう。ラーガに似てますね、だけじゃどうしようもない。

・実際のケージ作品の実演に関わった→じゃあ、それを考察してひとつの芸術論にしてくださいよ!

・マクルーハンのくだりなど、すでに関連が語られていることをあたかも自分が気づいたかのように書く。ケージとマクルーハンを関連づけてきれいに語ることが初めてならば、すごいですよ。でもそうじゃないでしょう。

・いわゆるケージ研究の翻訳すれば事足りるのに、それをせず、濁すために注を省き、NYPL等での自分語りをする。そこで調べた新情報から自分だけの芸術論を展開してください。ブラックマウンテンもニュースクールも、論を展開する前の段階で、満足している。それはネットで検索すればでてきます。

つまり、情報は情報として、先行研究をうまくまとめて初心者にケージの全体像を示し、それとともに、自分の独自研究を、自分語りをふくめて提示すれば、どんなレベルの読者にとっても良い本なのだ。それなのに、それがどれもきちんとできていない。先行研究は手際よく概説し、独自の考察はその間隙をつき、自分語りはドラマチックに芸術論と乗り入れさせる…ことができていません。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
ケージの、特に偶然性の音楽の時期(1940年代末〜60年代)に焦点をあてて、伝記的記述もふんだんに盛り込みながらその音楽を論じている。ブーレーズと50年近辺にかなり交流があったこと、キノコのこと(ニューヨーク菌類学会の創始者だった!)、舞踏家のカニングハムとの関係なども興味深い。
 しかし「沈黙=音楽の構成要素のひとつ・単なる無音状態」という認識から、禅との出会いや無響室での体験などをへて「沈黙=作曲者の作為の及ばないノイズ(雨の音、風の音、心臓の鼓動などなど)」という認識への転換はやはり非常に新鮮に感じた(「作曲家は聴く人になったのです」)。作曲家の作為としての作曲を疑問視し、自然音や偶然性へと向かったケージの姿がとても良く分かる。また社会は統治するもののなるべく少ない状態(アナーキー)こそが望ましい在り方だというケージの発想、その実践としてのミュージサーカスやユーロペラといったくだりも面白かった。
 たとえば、芸術的にも政治的にも正統的な前衛でもあろうとしたルイジ・ノーノとの対比はどうだろう。共産主義支持を掲げつつ、80年代末にはその挫折を経由して、ノーノも「聴取の悲劇、聴取の新たな可能性」へと向かった。後期ノーノの、ほとんど聞き取れないほどの(ppppやppppppといった極端なダイナミクス)音楽は、聴く者に極度の緊張を強いる。そこにしかし、かすかにしか聴き取れないような、未来のユートピア的可能性を作曲家は現出させようとしていた。それはしかし、やはりあくまで作為的な行為(作品)であって、耳を澄ます段階で体験されるその他のノイズは、あくまでノイズとして捨象される。そのとき聞えてくるものに対して、ノーノはケージ的な(アナーキーな)ユートピアを見ていたわけではないだろう。ノーノは最後まで不寛容だったと思われる。今になってケージのこの本を読むと、何かほっとさせられる。ケージの柔和な笑顔とアナーキーの思想は、軽い驚きをもたらしつつも、僕たちの耳や目を開いてくれるような気がする。
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