本書は、主に自己開発や人間関係論の分野で活躍するアメリカの著名な心理
学者John Gray氏が、恋の進展の段階に応じたアドバイスや、男性と女性の
考え方の違い等についてまとめた本である。
なお本書は、以前同題名で出版された単行本の文庫版である。
本書の特徴は、何といっても、恋の発展を、5つの段階に分けていることに
尽きる。その5つとは、「ひかれ合う→心が揺れる→相手をひとりに決める
→親密な関係になる→プロポーズと婚約」という段階である。この5つの段階
に応じた異性とのかかわり方に関して、以前より著者が主張する「男性と女性
は違う星から来た」という観点から、男女間の考え方の違いを考慮に入れな
がら、アドバイスをしている。
この、恋を5段階に分けるという発想が論理的で可視的ではあるが、一般的に
恋をもっと抽象的に捉える傾向のある日本人には、もしかして受け入れにくい
と感じる方もいるかもしれない。
また、例えば、「男が追いかけ、女が受け入れるという図式が一番うまくいく」
とか、「サポートするのが男で、サポートを受けるのが女」とか、「女性の愛を
勝ち取るのが男性の役目」等、男女の性としての役割をやや固定的に捉え、
その多様性の部分は捨象しながら断定的に述べている(これはもしかしたら、
翻訳者の訳し方に原因があるかもしれない)傾向が、気になる方もいるかも
しれない。
なお、本書の翻訳は、今をときめくAKB48の秋元康氏が担当されているが、
日本語がぎこちなかったり、あまり自然でないところも散見され、やや読み
にくい印象を受けるのは指摘しなければならない。
以上の点を総じて言えば、本書で述べられている内容のうち、ご自身の心に
響くものを参考にして読むべき本であると感じる。