原本は1969年刊。著者生前最後の著作である。ヴァールブルク直系の図像解釈のお手本とも言うべきモノグラフで、饒舌な割にはあっけないセッティス『絵画の発明』(晶文社)と読み比べるのがよい。ヴィントは全然超えられておらず、さらに訳されるに値する。凡百の美術史家には荷が重いだろうが。
「エドガー・ウィント」なる表記はどうにかならぬか。複雑な経歴の持ち主とはいえ、ドイツ語読みに「エトガル・ヴィント」とするのが穏当だろう。英語読みで一貫させれば「エドガー・ウィンド」。さすがにこれも具合が悪い。美術史の先生方、これくらいの統一はできるでしょ?
本書に先立って『シンボルの雄弁』(邦題『シンボルの修辞学』晶文社)が訳出されているにもかかわらず、どこにも言及がない。不勉強のゆえのうっかりミスなのか、理由があっての無視なのか。後者だとすれば、はなはだ不明朗である。
解題はインフォーマティヴだが、森田氏の訳者あとがきは個人的な思い出話に終始するのみでいただけない。ざっくり組んだ四六版180頁で3200円也! 高すぎまっせ。いっそ文庫か新書で出そうという版元はなかったものか。