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序文で著者自身も書いているように、これは1990年代の労働市場に起こった変化を記録した本で、データ分析による事実認識、とりわけ雇用機会の消失、ジョブディストラクションの分析が主体。(タイトルは意識的に反対にしたんだと思うけど。)本書のように、マクロ的な就業構造の変化を、ありとあらゆるミクロ的な視点から執拗に分析した本は、少なくとも日本にはあまりなかったと思う。分析結果を踏まえた「処方箋」は、客観的とは言えない部分もあるし、賛否両論かもしれない。でもこの本の目的は、そもそも処方箋を与えることではなくて、それを考える土台としての事実の把握にあると思うし、その点では実に優れた本だと思う。
労働経済学に興味を持ち始めた学生や、官庁や総研のエコノミストといった方々にはとてもお薦め。何年か後に、90年代の労働市場をまとめて振り返りたいときには、ものすごく有用だろうと思う。
序文で著者自身も書いているように、これは1990年代の労働市場に起こった変化を記録した本で、データ分析による事実認識、とりわけ雇用機会の消失、ジョブディストラクションの分析が主体。(タイトルは意識的に反対にしたんだと思うけど。)本書のように、マクロ的な就業構造の変化を、ありとあらゆるミクロ的な視点から執拗に分析した本は、少なくとも日本にはあまりなかったと思う。分析結果を踏まえた「処方箋」は、客観的とは言えない部分もあるし、賛否両論かもしれない。でもこの本の目的は、そもそも処方箋を与えることではなくて、それを考える土台としての事実の把握にあると思うし、その点では実に優れた本だと思う。
労働経済学に興味を持ち始めた学生や、官庁や総研のエコノミストといった方々にはとてもお薦め。何年か後に、90年代の労働市場をまとめて振り返りたいときには、ものすごく有用だろうと思う。
しかし、転職には賃金や履歴などうわべの情報を交換するだけでは不十分で、過去の取引先やボランティアで知り合った人との交わりなど的ネットワークから得た深い情報こそ重要だとするウィークタイの考え方は、恐らくまとちがいであろう。弱い紐帯をはりめぐらしていたとしても、現実に存在する異質な働き方のモデルや背中が少ない。そして、一人一人のそんなわずかな差を「めったに会わない弱い紐帯のネットワーク」で識別できるわけがない。現実社会における働き方は多様性がないからだ。
であるから本当に大事なことは、けっして弱い紐帯をはりめぐらすことではなく、社会が抜け穴を用意してあげられるかどうか、という点にかかってくる。
終章における玄田氏の主張はトートロジーでしかない。雇用問題における具体的な解決策は提示されないままだ。
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