アフリカの子供兵をここまでリアルに描いた映画を観たことない。
テレビや書籍で子供兵の問題は少し知っていたが、子供兵は被害者であるという描かれ方がほとんどであった。
この映画は違う。
兵士が子供だ。子供というと聞こえはいいが、クソ悪ガキどもの暴走族のようなものだ。
子供の頃に、自由にやりたい放題めちゃくちゃなことが出来たらさぞ楽しいだろうなと思ったことやってくれている。
ゲームのグランドセフトオートだ。DQNなガキにライフル銃を持たせたらこういうことになるという恐ろしいことを分からせてくれる。
全員、テレビのジャイアンで、のび太は殺される世界だ。見本になる大人がいない、教育がないということが、これほど残酷性をむき出しにするとは。
子供は残酷ではあるが、古来子供は無力であった。しかし、20世紀に入り、小さな大量殺戮兵器「AK47」により、子供であっても大人と同様の暴力を得た。簡単に人を殺せる暴力を。そして社会が崩壊したときに、それがむき出しになる。その結果が「ジョニーマッドドッグ」である。
それにしても、冒頭からそうなのであるが、本当にマッドマックスとか北斗の拳とかのように、軍服がないと仮装大会のような格好になるんだなぁと思った。それぞれが自分のキャラになりきろうと服装にこだわるところとかが、なにか自分をロールプレイングゲームの登場キャラクターに投影することで現実感を薄れさせようとしているのかしれない。
この映画は元少年兵が俳優をやっているので、人殺し特有のうつろな瞳が、観たこともない感覚を覚える。
誰も生まれる場所を選べない。悲しい悲しい物語。
あまり評価は高くないようであるが、もっと評価されるべき映画だと思う。