私は昔からのジョジョファンなのだが、第6部は一度読んだ時に最初の方でやめてしまった。しかし、いま改めて読むとかなり面白い。何よりも、新しいスタンド能力が斬新である。スタンドは第3部から出ているのに、そのアイデアがここに来てさらに向上しているのはすごいことだ。
この作品は、第4部まではジョジョが正義で敵が悪という分かりやすいものだった。しかし第5部ではジョジョ達もマフィアで、悪VS悪の闘いになった。そして第6部はプッチ神父もジョジョも正義であり、正義VS正義の闘いである。プッチ神父が目指すのは己の野望ではなく人類の幸福なのだ。彼は敵ではあるが悪ではない。あえて言えば「狂信」の象徴である。
だがプッチにとっての幸福とジョジョにとっての幸福が相反する。それで闘わなくてはならない。プッチは16歳の時に「運命」によってとても不幸な目に遭った、いわば犠牲者である。そこで彼は人類に「運命」を克服する力を持たせようとする。彼のこの使命感と精神力は、この作品の中でも最高である。そして実際に、承太郎とジョリーンに勝利する。このことから最強のキャラクターだと分かる。しかし、最後は非力な子供に殺される――エンポリオが行ったことは良かったのか、それは断言できない。ただプッチの考える幸福は、他人の同意を得られなかったということだ。
第6部は、『ジョジョ』という名作の中でも特に面白い方だ。しかし、それを楽しむには少なくとも第3部は読んでいなければならないし、またラストの設定が矛盾だらけなのも確かである。だが、プッチ神父という魅力的なキャラクター、そして作者の「運命とは重力である」というテーマは漫画というジャンルを超えたすばらしいものだ。これを読まないのは実にもったいないことである。