という台詞が出てくるが、この言葉が誰にとっても本作を観た感想になるにちがいない、それぐらい素晴しい、満点の映画だ。
ヴェローナはこの映画のヒット以前から欧米人にとっては人気の観光地。4大都市中心の日本からのイタリア・ツアーではヴェローナが組み込まれていな場合が多いかもしれない。その場合でも観光プロモーション・ヴィデオの域に留まる映画よりも本作を優先して観ておくべきだ。中世からの街並み、葡萄畑、空の眩しさ、路上のテーブルでのおしゃべりを楽しみながらの食事、そしてイタリアらしい恋愛といった、普通の旅行者が見聞する等身大のイタリア人の生活が活写されているから。
本作を特別なものにしている理由の第1に、50年前に別れた恋人を探しに来るクレア役のヴァネッサ・レッドグレイヴを挙げなければならないだろう。上品でユーモアのセンスがあって、とてもチャーミング。彼女ぬきではこの置き忘れた恋探しの旅も結末も説得力に欠けていただろう。こんな素敵なお婆ちゃんがいるなんて、それだけで奇跡だ。
第2は映画の途中から感づくもう一つの恋愛の行方。こちらの方は少し凡庸かなと思っていたら、最後に素敵なハプニングが待ち受けていて、食後酒のような味わいが快適。
愛の国イタリアにピッタリのロマンチックな愛の映画の傑作。私は涙腺が緩んだ。女性だけでなく男性もきっと満足できると思う。
間違いなく、現代のイタリアを舞台にしたドラマのベスト作品だ。